大学でマーケティングを学んでもビジネスで成功しない?

 

こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉です。

今日はマーケティングに関するノウハウではなく、ビジネスにおける成功と失敗に関するお話をしたいと思います。
若干偉そうに書いていますがご容赦下さい(笑)

企業のマーケティング部門の方々と会った際、有名大学でマーケティングの勉強をしてきたのにも関わらずイマイチ成果を挙げていない方がたまにいらっしゃいます。
言っている事は非常に模範的で、マーケティングに関してよく勉強しているのだなと思うのですが、何かがちょっと足りないと感じるのです。

今日はそれについてお話ししたいと思います。

【結論】頭でっかちのマーケッターにはなるな!

結論から申し上げます。
有名大学でマーケティングを勉強して、有名企業でマーケティングをやっているのにも関わらずイマイチ成果が上がらない人。
その人に足りないのは『失敗』です。

要するにマーケティングについて様々な勉強をしたのにも関わらず、それをベースにした『実践』が不足しており、ある程度高い目標を掲げてチャレンジしたことがないという事です。

特にマーケティングという分野の基礎を学びたければ、大学に通うだけが方法ではなく、本もたくさん出てますしセミナーだって世間では数多く開催されています。(私もセミナーを開催してます。)

しかし知識だけが身について実践する量が少ないので、日本には『頭でっかち』のマーケッターが多い訳です。

日本と海外の『失敗』に関する認識の違い

アメリカは失敗経験のない人など相手にしない

『日本人は失敗を許さないが、シリコンバレーは失敗に対して非常に寛容的だ。失敗した人を咎めるのではなく、また新しいチャンスを与えてくれる。』

という話を聴いたことはないでしょうか。

確かに日本人は失敗に対して寛容ではなく、時には非難の対象とする風潮があると僕自身も思っています。
僕が会社員だった頃にも外国人の上司から上記と同じような話を聴きました。

しかし、その上司が言っていたことは上記と似ているようで全く違います。
それは、シリコンバレーは失敗に寛容なのではなく、『失敗した経験の無い人など相手にしない』という事です。

アメリカでは『失敗は成功への学び』

『失敗した経験が無い』ということは、『これまでの人生でチャレンジしたことがない』という風に受け止められます。
高い目標を掲げたことがないとか、できる範囲のことしかやってきていないとか、そういった目で見られてしまいます。

更に失敗した経験が無い人は、『成功する為に必要な学びを得ていない』とも見られます。
失敗から得られる学びは成功に必要不可欠だというのが欧米での考え方で、一流大学を出ていても失敗経験の無い人は学びの量が足りていないと思われてしまう訳です。

日本では『失敗は悪?』

日本でも最近は、『失敗はしない方がよいが、1回くらいは許してやるべきだ。再度チャンスを与えてやるべきだ。』なんて話がよく聞かれますが、やっぱりこの言葉には

失敗 = 悪

というベースとなるニュアンスが含まれています。

何かにチャレンジした時に、その結果が成功と失敗に分かれるという考え方は時代遅れです。
こういった考え方をしていると成功する確率ばかりを追ってしまい、『失敗する可能性の高いことにはチャレンジしない』という考えになってしまいます。

失敗の繰り返した後に徐々に成功に近づいていくというのが、失敗と成功の正しい関係性のはずです。
従いまして、チャレンジした結果が失敗と成功に分かれるのではなく、チャレンジのスタートから成功までの途上にある学びの機会が『失敗』なのです。

そんなことは分かってるよ!と言う方も多いと思いますが、でも多くの日本人は失敗を拒みます。
今日も失敗の可能性の低い無難な橋を渡ることに決め、失敗した人を心の中で嘲笑しています。

2種類の『学ぶ』

『基礎』と『実践』

何かを学ぶときには2つのステップを踏む必要があります。それは『基礎』『実践』です。
基礎というのは先人達が試行錯誤した結果、成果を出すのに必要だと判明しているノウハウや知識の事です。
これらは学校や研修で学んだり、会社の上司や先輩から指導を受けて身に付ける事ができます。
一方実践というのは、『やってみて失敗し、その経験から学ぶ』という事になります。

要するに何事も成果を出す為には、『先人達が明らかにした成果の出るノウハウや知識を習い(基礎)、それをリアルの環境下で行い、失敗を経験しながら自分が成果を出せるよう経験を積む(実践)』という事が必要なのです。

※ちなみにマーケティングの基礎を学んでいただく為、Lactivatorではメール講座やセミナーなどを実施しております。まず無料なので、以下のメール講座に登録してみて下さい。

ところが、最初のステップである『基礎』の部分を延々と続け、いつまでも『実践』に移行しない人がいます。
学校の中だけで学んで、リアルの世界を経験しない限り成果は出せません。

フィードバックの重要性

子供の頃は誰でも親や先生によく叱られ、また新入社員の頃には上司や先輩に叱られたことがあると思います。
叱られるというのはとても嫌な事ですが、見方を変えると自分の行動に対して率直な『フィードバック』をしてくれている訳です。

自分が成長して成果を出せるようにするにはこのフィードバックが重要なのですが、10代、20代の事であれば自分を叱ってくれる存在が周りにたくさんいるものの、年齢を重ねていくと余程のミスをしない限り叱られません。
40代を過ぎると成長が難しくなるのはこの為です。

そしてフィードバックは『基礎』を学んでいる段階では得られず、『実践』段階で、リアルの世界で実際に行動してみて初めて受けられます。

ですから何度も言いますが、知識だけ豊富で『実践』を経験してない人たちは成果を出すことができないのです。

『市場でモノを売る』の意味

僕は社会人になってからずっとマーケティングの世界に身を置いているので他の世界のことはよくわかりませんが、少なくともマーケティングでは上記のように『基礎』よりも『実践』の方が大切です。

ですから今回のタイトルにも書いた通り、大学でマーケティングを学んだだけでは立派なマーケッターには慣れませんし、ビジネスを成功させるのは難しいと思います。

僕自身もこのブログで色々と偉そうな事を書いていますが、「これは売れる!」と思って売った商品が全く売れなかったり、「この商品は世間の注目を集めるはずだ!」と思って発表したモノが全く話題にならなかったりということをこれまでたくさん経験しています。もちろん、今でも普通にあります(笑)。

しかしこれがいわゆる『フィードバック』で、市場やお客様に向き合っていれば何歳になっても率直なフィードバックを得られます。
これじゃ売れませんよ、話題になりませんよと市場が言ってくれている訳です。

『市場でモノを売る』というのは「売ってみて、売れるかどうかを見て終わり」ではありません。
「これでは売れませんよ」というフィードバックをもらって、商品や売り方を改善する為に「売ってみる」のです。

この経験がなく、ただ机上でマーケティングを勉強しただけでは絶対に売れる商品/サービスなんぞ作れません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
誤解のないようにお伝えすると、大学や研修でマーケティングを学ぶのは全然無駄じゃないです。
興味があったらどんどん学んでください。
但しそれだけでは成果を挙げる事は無理で、実践して失敗してフィードバックを得るという経験が必要だということです。

英語の教科書だけ読んでいても英語をしゃべれるようにはならないのと一緒で、実際にネイティブの人と会話をする経験を積まないとですよね。
何事も『知識だけ得ればいい』という訳ではないのです。

 

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