
マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
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こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。
先日、厚生労働省から2025年の日本人の平均寿命が発表されました。男性が81.4歳、女性が87.3歳で、女性の平均寿命は41年連続で世界一だそうです。
今日はこの「平均寿命」がどうやって計算されているのかについてお話しします。実は、多くの方がこの計算方法を誤解しています。そして、この計算方法を正しく理解すると、実はビジネスにも応用できる考え方なんです。最後までお付き合いください。
▼動画でも解説しています
「平均寿命」の計算方法、9割以上の方が誤解している
「亡くなった人の年齢を平均する」は間違い
おそらく9割以上の方は、平均寿命を「その年に亡くなった人の年齢を全部足して、人数で割る」ことで計算していると思っているのではないでしょうか。
確かにこの方法なら簡単に計算できそうですが、これだとその国の人々の本当の寿命を正しく表すことができません。
本当の計算方法:年齢別の死亡率を使う
平均寿命の計算に使われているのは、実は亡くなった人の年齢そのものではなく、「その年に何歳の人が何パーセント亡くなったか」という年齢別の死亡率です。
分かりやすくするために、人間が最長でも3歳までしか生きない国を例に考えてみましょう。
この国で今年1年間の死亡状況を調べたところ、
- 0歳の子は1年間で10%が亡くなった
- 1歳の子は1年間で20%が亡くなった
- 2歳の子はその年に全員が亡くなった
という結果が出たとします。
年齢別死亡率から平均寿命を計算してみる
このデータを使って、実際に平均寿命を計算してみます。
この国で今年赤ちゃんが100人生まれたとして、先ほどの死亡率をそのまま当てはめていくと、
- 0歳の1年間で100人の10%が亡くなるので、1歳を迎えるのは90人
- 1歳の1年間でその20%が亡くなるので、2歳を迎えるのは72人
- 2歳の1年間で残りの72人が全員亡くなる
つまり、この100人が過ごした年数の合計は、0歳の年を100人全員が過ごした分の100年、1歳の年を90人が過ごした分の90年、2歳の年を72人が過ごした分の72年で、合計262年。
これを赤ちゃんの人数100人で割ると2.62年。この2.62年がこの年の「平均寿命」になります。
日本など実際の国で行われている計算も、考え方はまったく同じです。もちろん3歳で全員が亡くなるわけではないので、年齢の上限を110歳程度まで広げて同じ計算をしているだけなのです。
なぜわざわざ年齢別の死亡率を使うのか?
単純平均だと「人口構成」に結果が左右されてしまう
「なんでそんな回りくどいことをするの?」と思う方も多いと思いますが、理由があります。
例えばできたばかりの新興住宅地を想像してみてください。そこに住んでいるのは若い夫婦と子供たちばかりです。もちろん病気などで亡くなる方もいますが、どうしても若い世代が中心になります。
この状態で「亡くなった人の年齢を単純に平均する」方法を使うと、平均寿命は30〜40歳程度という若い数字になってしまいます。
逆に、お年寄りばかりが住む村であれば、その数字は90歳近くになる可能性があります。
しかしこれを比べて「新興住宅地は不健康で早く亡くなる」「村の方が健康で長生きする」と結論づけるのは誤りです。この数字は、どんな年齢の人が住んでいるか(人口構成)によって勝手に変わってしまうからです。
年齢別死亡率を使えば、人口構成に関係なく比較できる
一方、「何歳の人が何パーセント亡くなったか」という年齢別死亡率を使って計算すると、人口構成とは関係なく、純粋にその時代・地域の医療や生活水準だけを反映した数字になります。
こうすることで、年齢構成が異なる国同士でも、平均寿命をフェアに比較することができるのです。
マーケティングへの応用:サブスクの解約率・LTV分析
ここからがマーケティングの話です。この「平均寿命」の計算方法は、サブスクリプションビジネスの解約率やLTV(ライフタイムバリュー)分析にも応用できます。
先ほどの「年齢」を「サブスク契約からの経過期間」に、「年齢別の死亡率」を「経過期間ごとの解約率」に置き換えると、同じ考え方でサブスクの平均継続期間を計算できます。
これを、「解約した人の利用期間」だけを単純に平均してしまうと、本来よりも短い平均利用期間が算出されてしまいます。
理由は、長く使い続けていて今なお解約していない優良顧客が、計算にまったく反映されていないからです。
この間違った計算方法のまま「うちのサブスクはこんなに早く解約される」と社内に誤って報告してしまっているケースは、実は少なくありません。
まとめ:平均寿命は「亡くなった人の平均年齢」ではない
平均寿命は、亡くなった人の年齢を単純平均したものではなく、各年齢の死亡率を使って計算されています。
そうする理由は、人口構成の影響を取り除き、国や地域、時代が違っても公平に比較できるようにするためです。
そしてこの考え方は、サブスクリプションの解約率やLTV分析など、マーケティングの実務にも大いに活用できます。ぜひ正しい計算方法を覚えておいてください。
よくある質問
Q1:平均寿命は「その年に亡くなった人の年齢」を平均したものですか?
A1: いいえ。平均寿命は亡くなった人の年齢の単純平均ではなく、各年齢の人が1年間に何パーセント亡くなったか(年齢別死亡率)を基に計算されます。
Q2:なぜ単純に年齢を平均しないのですか?
A2: 単純平均だと、その地域に住んでいる人の年齢構成(若い世代が多いか、高齢者が多いか)によって結果が大きく変わってしまい、本来比べたい「寿命の長さ」を正しく表せないためです。年齢別死亡率を使うことで、人口構成の影響を取り除いて比較できます。
Q3:この計算方法はマーケティングにどう活用できますか?
A3: サブスクリプションサービスの解約率やLTV(ライフタイムバリュー)分析に応用できます。「経過期間ごとの解約率」を使うことで、現在も利用を続けている顧客を反映した、より正確な平均継続期間を算出できます。
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