マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
●無料メールで学ぶマーケティング講座配信中⇒こちら
こんにちは。
マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。
今回はマーケティングの名言について紹介します。
これまでに様々な企業の経営者やマーケティングの学者が名言を残してきましたが、当然のことながら全部を紹介する事はできません。
従いまして、僕自身が紹介したいものに厳選して書いています。
また今後追加したい名言があったら追加しますので、1つ1つを丁寧に読んで自分の仕事に照らし合わせてみて下さい。
【名言①】商品企画・製作に関する言葉
商品がダメなら全部ダメ
どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない。
スティーブ・ジョブズ(アップル創業者/1955~2011)
スティーブ・ジョブズはMacintoshを初め、ipod、iphoneなどの革命的な商品を生み出してきました。
マーケティングには4P(Product<商品>、Price<価格>、Promotion<広告>、Place<流通>)と呼ばれる要素があります。
戦略を打つ際に作り手・売り手がコントロールできる4要素ということになりますが、この中で一番重要な要素はProduct<商品>に他なりません。
商品が駄作であればどれだけ値下げしても、お金をかけて広告を打っても、人通りの多い場所に売り場を設けても売れないのです。駄作(=買い手が買う価値を感じていない)なのですから。
商品は『自分の為』のモノではない
自分たちのために商品をつくってはいけません。人々が求めているものを知って、人々のために商品をつくりなさい。
ウォルト・ディズニー(ディズニー創業者/1901~1966)
私はイチゴクリームが大好物だが、魚はどういうわけかミミズが大好物だ。だから魚釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物のことを考える。
Personally I am very fond of strawberries and cream, but I have found that for some strange reason, fish prefer worms. So when I went fishing, I didn’t think about what I wanted. I thought about what they wanted.
デール・カーネギー(アメリカの実業家、作家/1888~1955)
魚を釣る時にイチゴクリームをえさにしても釣る事ができず、ミミズをえさにしないといけないのは当たり前ですよね。
しかしいざビジネスをやるとなると、イチゴクリームで魚を釣ろうとしている人がたくさんいるのです。
自分が欲しいモノを作ってもお客さんが買ってくれるわけではなく、お客さんが欲しいモノを作らないとダメということですね。
顧客の望むものを見極める
美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。
スティーブ・ジョブズ(アップル創業者/1955~2011)
ビジネスには必ずライバルが存在しますが、そのライバルと同じことをやって争っていても大きな発展は見込めません。
ライバルがやっていることは関係なく、お客様が(もしくは世間が)どんなことを望んでいるのかを自分の五感で感じ、それを実行する事が大切です。
考え抜かれたものはシンプル
傑作には、一種独特のシンプルさがあるものです。
ヴァージニア・ウルフ(イギリスの女性小説家 / 1882~1941)
私自身もそう思うのですが、『どんな商品を創るべきか』を考えに考え抜くと意外とシンプルな答えにたどり着きます。そしてそれが大きな成功を収める事が多いのです。
なんでもっと早くその答えにたどり着かなかったのか?といつも思いますが、ベネフィットが非常に分かりやすい商品と言うのは単なる思い付きではなく、多くの時間を割いて考えられている場合がほとんどです。
『良いモノは売れる』は自分本位過ぎ
”良いモノは売れる”という考え方は、自分を中心に世界は回っていると考える『天動説』と同じ。
正垣泰彦(サイゼリヤ創業者/1946~)
職人肌の日本の企業などに存在する古い考え方ですが、今や世の中は良いモノだらけで粗悪品を見つける方が難しいです。
また、自分が『良いモノ』と認めたものを作れば売れるというのはあまりにも自分本位な考え方であり、正垣さんがおっしゃる通り天動説のような『自分を中心に世界が回っている』と言っているのと一緒です。
お客様(顧客)を中心に物事を考え、『お客様が欲しいモノが売れる』と考えないといけません。当たり前の事なんですがこれをできている企業は多くないのです。
【名言】広告・宣伝に関する言葉
お客様のベネフィットを全面に
お客様は機能や使い方ではなく、”その商品を買ったら自分の生活がどのように豊かになるのか”に興味がある。
高田明(ジャパネットたかた創業者/1948~)
その商品が持っている機能を箇条書きで並べられてもお客様はピンと来ません。
高田社長のおっしゃる通り、その商品を買ったら自分や家族の生活がどう変化するのか(=ベネフィット)に興味があるので、そこをきちんと広告に謳ってあげないと失敗します。
【名言】市場調査に関する言葉
世の中の人はアイデアなんて持ってない
独創的な新製品をつくるヒントを得ようとしたら、市場調査の効力はゼロとなる。大衆の知恵は決して創意などはもっていないのである。
本田宗一郎(ホンダ創業者/1906~1991)
『将来どんなクルマが欲しいですか?』なんて質問を市場調査でやっても意味がありません。
自動車会社に勤めている人は毎日仕事で自動車のことを考えていると思いますが、一般の方はそうではない訳です。
ですから、一般大衆から次の商品アイデアを出してもらおうというのはちょっと難しい話で、厳しい言い方をするとそれは商品企画者・開発者の怠慢です。
商品アイデアを出すのは一般大衆の仕事ではなく、商品企画者の仕事です。
商品企画者が出したアイデアを一般大衆にぶつけて改良のヒントを得るのはアリだと思います。
考える前に『調べる』ことが必要
考えなさい。調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。
ウォルト・ディズニー(ディズニー創業者/1901~1966)
ディズニーの言葉にもある通り、熟考する前に『調査』という言葉が出てきます。
数々のキャラクターや映画を生み出してきたディズニーが当時どんな調査をしたのかにとても興味がありますが、いずれにしろ考える前にその熟考の基となるデータは必要です。
マーケティングは数字いじりが全てじゃない
現代のマーケティングは、どれだけ顧客の深層心理に迫れるかの勝負です。マーケティング部門は数字をいじり回しているだけでは存在価値がありません。
フィリップ・コトラー(経営学者/1931~)
これは多くのマーケッターに考えてもらいたい言葉です。
マーケティングというと様々な数字を基にして戦略、戦術を立てるというイメージを持つ方もいると思いますが、基本的には自分がターゲットとするお客様が心の奥底で何を考えているのかを掴むのがマーケッターとしての腕の見せ所です。
もちろん数的分析も必要なのですが、お客様に実際に会って数字からは得る事ができない何かを感じ取る事も超重要であるという事も忘れないでください。