ニーズを満たすだけでは無理!『インサイト』探しが現代ビジネスに必要な理由

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insight

こんにちは!
マーケティングリサーチアドバイザーの渡邉俊です。

今回のブログは『インサイト』についてです。

ここ最近マーケティングの分野を超えて話題になってきているので、聞いた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ『インサイトって何?』という事について、きちんと簡潔に説明しているサイトはあまり無いように思います。

そこで今回はこの『インサイト』について徹底解説したいと思います。

『インサイト探し』はマーケティングリサーチの醍醐味です。
インサイトをきちんと探してマーケティング戦略に結び付けられるマーケターこそが『真のマーケター』であると言っても過言ではありません。

是非最後まで読んで下さい。

『インサイト』とは何か?

【本の紹介】「欲しい」の本質

インサイトに関しては色々な方が本を書いていらっしゃいますが、本気で知りたいのであればおススメの本があります。

「欲しい」の本質
~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~

insight_book

もともとインサイトと言う概念は広告制作から来たものです。
著者である大松さん、波田さんも朝日広告社でインサイト発掘業務をやられていた方です。

私も持っていますがおそらく一番分かりやすいと思うので、もし深く勉強したいのであればこれを1冊購入してみてはいかがでしょうか。

 

インサイトとは『人を動かす隠れた心理』

「マーケティング戦略ではインサイトが重要!」という話はかれこれ20~30年くらい前から言われています。
が、なかなか日本人には浸透していないのが現実です。

おそらく「インサイト」という概念そのものが非常に取っつきにくいものだからだと思います。

私自身は自分のセミナーの中で、

「インサイトとは、『ここをくすぐられたら購入したくなってしまう心のボタン』です。」

と言っています。

またこの本は、インサイトをもっと簡潔に

「インサイト=人を動かす隠れた心理」

と書かれています。
要するに、商品を買ってもらったり、好きになってもらったりすることに関係する心理ということです。

『インサイト』と『ニーズ』は似て非なるモノ

ここまで説明すると、『要するにインサイトって「ニーズ」みたいなものですよね?』と思った方もいると思います。

ただここはとても重要なのですが、『インサイト』と『ニーズ』は全く異なります。

先程も書いた通り、インサイトというのは『人を動かす隠れた心理』であり、これはその人の無意識の中に存在するものです。
言い換えれば、インサイトとはその人自身も認識しておらず、説明する事ができない欲求』という事になります。
それに対して、ニーズは『その人が明確に認識できている欲求』です。
意識できているモノか否かがニーズとインサイトの最大の違いです。

『ニーズ』を満たすだけでは現代ビジネスは通用しない

ではそもそもなんでインサイトがそんなに必要なのか?
お客さんのニーズさえ満たせばいいんじゃないか?
と思う方もいらっしゃると思います。

ですが、現代ビジネスにおいてはおそらくどの業界も『ニーズ』を満たすだけで競争に打ち勝つのは不可能です。

『ニーズ』というのはお客様が認識できている欲求ですから、ほとんどの場合その中身は競合他社も掴んでいます。
いまやSNSを使えば、消費者個人も何でも世の中に発信できる時代ですから、ニーズのみを満たすアイデアは、既にどこかの会社が具現化している可能性が高いです。
従いまして、例えニーズを捉えても競争優位に立つことは極めて難しいはずです。

一方インサイトは隠れた心理ですから、まだ競合他社も知らない可能性が高く、その心理を満たすアイデアは市場で具体化されていません。
そこを捉える事ができれば競争優位に立てるのです。

 

【事例で学ぶ】インサイトの重要性

事例:アイドル『AKB48』は如何にして生まれたのか?

皆さんがよくご存知の『AKB48』を具体例として説明しましょう。

 

細かい説明は不要と思いますので省略しますが、AKB48は2005年12月に秋葉原を拠点として活動を開始したアイドルグループです。
プロデューサーは秋元康さんですが、このアイドルプロジェクトを開始する際に秋元さんが設定したコンセプトは『会いに行けるアイドル』でした。

akb48

当時アイドル業界はかなり低迷しており、1990年代までは大変な人気があったものの2005年当時は目立ったヒット曲もなくなっていました。
しかしその一方、以前は家電専門店がひしめき合っていた秋葉原にかつてのアイドルファンたちが集まってきており、秋元さんはその噂を聞いてわざわざその秋葉原に赴くのです。

そこにあったのは、アニメのキャラクターのような少女が『萌え』スタイルで接客してくれるメイドカフェ、自主的にアイドル活動をしてファンと一緒にステージを盛り上げる『地下アイドル』という現象。
あくまで推測ですが、それを見た秋元さんはこれまでアイドルファンが持っていた潜在的な不満として、『遠い存在であるアイドルに憧れを煽られているうんざり感』というインサイトを見つけたのです。

その不満に対する回答が、アイドルの新しいコンセプト『会いに行けるアイドル』でした。

 

インサイト:『遠い存在であるアイドルへの憧れにうんざり』

さすがは素晴らしいのは、アイドルファンたちが『遠い存在であるアイドルに憧れを煽られているうんざり感』という不満を持っているということを見抜いたことです。
なぜなら、当時の秋葉原でファンにインタビューしても、

『俺たちは遠い存在のアイドルへの憧れにもううんざりなんだ!!』

直接言ってくれる人はひとりもいないからです。
本人たちもそういった不満を持っていることに気づいていないはずです。

 

秋元さんご自身が彼らの口から出てきた言葉や行動から感じ取り、確信したものに他ならず、これが見つけた『アイドルのインサイト』になります。

そしてそのコンセプトから、

・「会いに行ける」ようにするため、秋葉原に常設の劇場を作って毎日公演する。
・何十人という大勢のグループにして、自分の好きな子(=推しメン)が見つかるようにする。
・「握手会」イベントを行い、ステージ上だけでなく直接言葉を交わせる。
・秋葉原以外にも、大阪、名古屋、福岡、新潟・・・に会いに行けるアイドルグループを作る。

というアイデアが生まれて行ったのは言うまでもありません。

95%の「無意識」にアプローチする

おそらく、当時のアイドルファンが口にしたことをそのまま受け止めていたら今のAKB48はなかったことでしょう。
彼らの「無意識」の部分にアプローチした事が成功要因であり、秋元さんの凄い所だと思います。

「行動経済学」や「消費者心理学」を学ばれている方はご存知と思いますが、「人間は自分の思いや行動を正しく説明できない動物である」と言われています。

ちょっと小難しい話になるのですが、脳科学の分野では「人間の思考や行動は5%の意識と、95%の無意識で成り立っており、さらに意識の水面下にある95%の無意識も様々な意思決定に関わっている」という定説があります。

従いまして、人間が意識してやっていることというのは氷山の一角なのです。
その為、人間の行動には「無意識」の影響が大きく、意識の世界で考えられているような「論理的に正しい行動」はしないと考えるのです。

上記のアイドルの事例でも、

・なぜあなたは最近アイドルのCDを買わなくなったのですか?
・なぜあなたはアイドルのコンサートに行かなくなったのですか?

と聞いても、『お金がないから』とか『かわいい子がいないから』などといった答えが返ってくるだけだったと思います。
これは本人たちが『意識している部分』です。

ここだけ汲み取っても何の解決にもならない訳で、その奥底にある『無意識の部分:遠い存在であるアイドルに憧れを煽られているうんざり感』を見つけてアプローチする必要があるという事ですね。

 

インサイトの見つけ方

『無意識』を観察してみる

ではどうやってインサイトを見つけたらいいのか?という方法についてですが、これはお察しの通り難しいです。
一言で言えば、自分のターゲットとするお客様が『無意識に何を思っているのか?』を暴く訳ですから、そう簡単ではありません。

もちろん上記の本「『欲しい』の本質」にも探し方が書いてありますし、それ以外にも本が出版されていますので参考にしていただければと思いますが、実践するのは非常に手間暇がかかりますし、センスと経験も必要です。
何度も言いますが、『無意識』の部分を暴くのですから難しいのです。

ただ、インサイト探しにチャレンジすることは『超』が10個くらい付くほど大事だと思いますので、このブログを読んだら早速やってみて欲しいのです。

1つ言えるのは、お客さんが無意識にやっていることを観察してみるとインサイト探索の大きなヒントになると思います。

秋元さんも、秋葉原でアイドルファンを観察することによってインサイトを見出しましたよね。
それと同じで、

・派遣社員ビジネスをやっている人は、派遣社員が無意識にやっていることを観察する。
・病院経営者は、患者さんが無意識にやっていることを観察する。
・土産物屋を経営している人は、来店したお客さんが無意識にやっていることを観察する。

という感じです。

僕もインサイトを探す時は、対象者が集まる場所に行ってじっと観察しているのですが、ある時「はっ!」と何かに気づく瞬間があります。

このように行動観察によって何かを見出す調査を『エスノグラフィー』と言います。

 

アンケートやインタビューだけでは見つかりにくい

これまでこのブログで色々説明してきた『アンケート』や『インタビュー』の調査結果も、インサイトのヒントには成り得ます。

但し、これらは調査の対象者が意識して書いたり答えたりした、いわゆる『意識の産物』です。
ここから出てきたものはあくまで『ヒント』であり、直接インサイトにならないことはきちんと理解して下さい。

まとめると、

・エスノグラフィーなどで、対象者の『無意識』を観察する。
・アンケートやインタビューで対象者の『意識の産物』を集め、そこから『無意識』の部分を推測する。

この2つを行ってインサイト発掘にチャレンジしてみていただけると嬉しいです。

 

インサイトは『人間の無意識』という何とも掴みにくい話ですのでどうしても抽象的な話になってしまいます。
そこはちょっと申し訳ないのですが、是非ビジネスに役立ててもらえると嬉しいです。

 

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代表プロフィール

渡邉 俊
●Lactivator代表
(マーケティングリサーチアドバイザー)
●一般社団法人KING OF JMK 代表理事
●日本マーケティング・リサーチ協会賛助会員

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1977年群馬県生まれ。横浜市在住。
2001年に日産自動車(株)に入社。
以降、マーケティングリサーチ業務に従事。

2012年、地方の過疎化に自分のマーケティングノウハウで貢献したいと考え、
会社員のまま『Lactivator』を設立。
2015年より中小企業や個人事業主の方へのマーケティング支援も実施。

また故郷:群馬の活性化活動も独自で行っており、
2013年2月、群馬が誇る「上毛かるた」を使って県をPRするイベント
「KING OF JMK~おとな達の上毛かるた日本一決定戦~」を開催。
その後も毎年開催しており、キャンセル待ちが出る人気となっている。

更に群馬の観光活性化を目的としたスマホアプリ『札ッシュ!!上毛かるたGO!』を企画。
(株)クライム様が開発のもと、2017年5月リリース。

2013年:週末起業フォーラムより『第7回週末起業家賞』を受賞。
2016年3月に日産自動車を退社、独立。

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