【基本概念】『定量』と『定性』の真の意味

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こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。

マーケティングリサーチには『定量調査』と『定性調査』という大きく分けて2種類の調査があることは、他の記事でもたびたびお話ししています。

・・・が、この『定量』と『定性』という言葉の違いをきちんと説明する事は結構難しいのではないでしょうか。
また中には、『そんな定性的な説明ではわからん!』という風に『定性』である事が悪のように扱う場面もビジネスでは多々見られます。でも決してそうではないのですよね。

そこで今回は『定性』と『定量』ってそもそも何?という事を解説します。

『定量』と『定性』

定量とは『数字で表せる要素』

まず『定量』とは、『数字で表せる要素』の事を指します。
その為『定量調査』というのは『数字がアウトプットされる調査』のことを指し、その代表的なものが『アンケート調査』である訳です。
アンケートはAと答えた人が〇%、Bと答えた人が〇%という風に数字で結果が出ますからね。

また調査以外にも売上金額や顧客の数、価格などは数字なので『定量的』な要素になります。

定性とは『数字で表せない/表しにくい要素』

一方で『定性』とは『数字で表すことのできない、または表すことが難しい要素』のことです。
その為『定性調査』というのは『数字ではなく言葉などがデータとなる調査』のことを指し、その代表的なものが『インタビュー調査』になります。

例えば、『あそこの定食屋さんは温かみがあっておふくろの味のようなイメージがある』とか、『同じ赤だけど、こちらの商品の方が情熱的で見た人を鼓舞するような感じがある』などというように、数字にはしにくい感覚や思考、イメージなどが定性なのです。

要するに物事の「質」に関する部分を表していると考えると分かりやすいかもしれません。

『定量』が『定性』より”偉い”訳ではない

従いまして『定量』と『定性』というのは対を為す概念なのですが、たまに見かけるのが『定性』を『定量』よりも軽視するという間違った傾向です。これは多くの方が誤解していると思います。

例えば、

『そんな定性的な説明では納得できない!』
『もっと定量的に物事を把握しろ!』

といったビジネスシーンでよく聞かれる言葉。

確かに数字にした方が明確になるのはその通りですし、数字で表現できるものはできるだけした方がよいです。
しかしながら上記のように数字になりにくかったり、言葉で表現した方が伝わりやすいという『定性的』な要素は世の中にたくさんあるので、定性情報が定量よりも劣る訳ではないのです。
『定量』と『定性』は、両方とも同じくらい重要な情報として取り扱って下さい。

定量情報と定性情報の補完性

従いまして定量情報と定性情報は、お互いのメリットとデメリットを補完しあう関係性にあります。
その為、マーケティング戦略を練る現場では両方からのアプローチで情報収集・分析を行う必要がある訳です。

しかし、世の中を見回してみると『定量情報しか見ていない』、または『定性情報しか見ていない』ということがたくさんあり、間違った認識になっていることがよくあるのです。

野球の競技人口低下はテレビのせい!?

例えば国内で長年人気スポーツとして君臨している野球ですが、ここ最近は小中学生の競技人口が低下しているというニュースを耳にします。
実際、日本中学校体育連盟によると、2007年には約30万人いた軟式野球の部員数は2018年には約17万人と、約10年の間に半分近く減ってしまっているそうです。
また地上波でのプロ野球中継数や野球ができるグランドも近年減少していますよね。

一方、サッカーやバスケットボールの競技人口はほぼ一定で推移しています。子供全体の人口が減少している中で競技人口が横ばいという事はそれだけ人気が高くなっていると言えます。

これらの定量情報だけで考えると、

『野球の人気が無くなった諸悪の根源は、中継の数を減らしたテレビ局とグランドを減らした行政のせいだ!』

なんて考えてしまいますが、これは誤解です。
これについては2016年に私自身が定性調査を行った事があるのですが、当時の中高生の方々は口を揃えてこう言ってました。

『そもそもプロ野球ではおじさん達がビール片手に自分勝手な野次を飛ばし、好きなチームが負けると八つ当たりする。だから良いイメージがないです。』

野球人口の減少は中継やグランドの数だけではなく、数字で表す事が難しい他の理由がありそうですよね。
このように定量情報だけで物事を判断するとミスリードする可能性が高い訳です。

高齢者ドライバーの増加が交通事故を増やす!?

逆に、定性情報だけを判断材料にするのもいけません。
例えば以前別の記事でも紹介した『高齢者ドライバーの増加が交通事故を増やしている』という誤解。

2019年4月に池袋で起こった高齢者ドライバーによる交通事故で3歳の女の子とそのお母さんが亡くなりました。
あまりにショッキングな事故でニュースでも数多く取り上げられましたし、それに伴って他の高齢者による交通事故が連日報道されました。

この情報だけを聴くと『高齢者による事故が大きな社会問題だ!』と誰もが考えてしまいます。
しかし上記の記事でも書いた通り、高齢者ドライバーによる交通事故は増えておらず、件数としてはこの10年間でほとんど変わっていないのです。

まとめ:『定量』と『定性』情報の両方が必要!

いかがでしょうか?
数字のデータで物事を判断するのはもちろん大事なのですが、世の中には『数字にすることができない情報(=定性情報)』というものもあり、数字と同様に重要です。

また逆に、メディアによる文字や映像の情報だけを鵜呑みにしていてもダメで、定量情報をきちんと確認する必要があります。

自分のビジネスを間違った方向に導かない様にする為、定量と定性の両方の情報を重視して下さい。

 

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