
マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
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こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。
マーケティングリサーチを担当していると、必ずと言っていいほど登場するのが「パネル調査」です。
ただ、リサーチ経験の少ない方にとっては「なんとなく聞いたことはあるけど、実際どんなものかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。今日はこのパネル調査について、
①そもそも何なのか?
②実施するメリット
③どんな時に実施すべきか?
④かかる費用
の4つの観点から網羅的に解説します。
▼動画でも解説しています
https://www.youtube.com/watch?v=WpCbGJ6VrFE
そもそも「パネル調査」とは?
アンケート調査を行う場合、質問が書かれたWeb画面を作成して、メールやSNSで回答を依頼する方法を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、マーケティングリサーチャーが調査を行う場合、リサーチャー自身がメールやSNSで回答を依頼するケースはあまりありません。
多くの場合、「モニターパネル」というあらかじめ登録されたアンケートモニターに対してアンケートを行う方法が使われます。
例えば国内最大規模のパネルを保有していると言われるマクロミルという会社では、自社登録モニターが約130万人、提携会社登録モニターが約3500万人、合計で約3600万人規模のモニターを抱えています。
モニターさんたちはアンケートに回答するとポイントが付与され、貯まったポイントは現金や景品に交換できる仕組みになっています。
調査をしたい企業はこのモニターパネルに対して調査費を支払うことで、回答を集めることができるわけです。

パネル調査を行う3つのメリット
①赤の他人の意見を効率よく集められる
自分の作った商品やこれから始めるサービスについて、メールやSNSで友人・知人に回答を依頼する方法も考えられます。
しかし、知人である分、回答への協力率は高くても「悪いことは言えない」という忖度が働いてしまい、本音のデータが取れません。
一方パネル調査であれば、回答者は自分と面識のない第三者です。特別な感情を抱くことなく、率直な意見を答えてもらうことができます。
②実査にかかる時間が短い
自力で友人・知人から500人分の回答を集めようとすると、何日もかかる大変な作業になります。
しかしモニターパネルを使えば、条件にもよりますが500人程度の回答は数時間で集まります。数百万人規模のモニターを抱える調査会社であれば、スピーディーにデータが集まるのです。
③スクリーニング(対象者の絞り込み)が簡単
例えば「東京都内に住むペットを飼っている女性」のように対象者の条件を絞りたい場合、自力で探し出すのは非常に困難です。
モニターパネルであれば、登録されたモニターの中から条件に合う人を効率よく抽出できます。
どんな時にパネル調査を実施すべきか
パネル調査が向いているのは、赤の他人の意見を効率よくたくさん集めたい時です。具体的には、
- 新商品・新サービスについて一般消費者から意見をもらいたい時
- 自社や商品のブランドイメージ・認知度を知りたい時
- テレビCMなどの広告効果を測定したい時
といった場面です。こうした内容を自分の知人に聞いてしまうと、先ほど説明した通り忖度やお世辞が混ざってしまいます。新商品のアイデアを友人に話して「すごくいいと思う!」と言われ、いざ発売したら全く売れなかった、という経験がある方もいるのではないでしょうか。知人から本音の意見を引き出すのは、実は想像以上に難しいのです。
パネル調査にかかる費用の目安
パネル調査の費用は、調査のすべての工程をプロに委託するか、自分でできる部分は自分でやるかによって大きく変わります。
パネル調査の流れは、①調査設計 → ②調査表の作成 → ③実査 → ④集計分析 → ⑤報告書の作成、という5つのステップに分けられます。
すべての工程を調査会社に委託する場合、費用は調査の規模や難易度によって数十万円から数百万〜数千万円規模まで大きく変動するため、一概には言えません。
一方、「①②④⑤は自分で行い、モニターパネルを使わないとできない③実査だけを外部に依頼する」という進め方も可能です。
この場合、料金は主に次の3つの要素で決まります。
- 希望する回答の数
- 質問の数
- 回答対象者の条件
例えばクロスマーケティング社やアイブリッジ社のパネルリサーチサービスでは、「回答数×質問数×10円」という目安で料金が設定されています。(2026年10月現在)
これに加えて、回答対象者の条件(例:都内在住でペットを飼っている20代女性、など)を絞り込む場合は、その分の追加費用(スクリーニング調査・事前調査の費用)が発生します。
条件が複雑になるほど費用は高くなりますが、逆に性別・年代・居住都道府県といった基本的な属性だけで絞り込む場合は、追加費用がかからないことが多いです。
なお、こちらの記事「【アンケートモニターさんにインタビュー】こんなアンケート調査は嫌だ!」も参考になりますので、ぜひ併せてご覧ください。
まとめ
パネル調査とは、あらかじめ登録されたアンケートモニターに対して行う調査のことで、①赤の他人の意見を効率よく集められる、②実査時間が短い、③スクリーニングが簡単、という3つのメリットがあります。
費用はすべてを調査会社に委託するか、自分でできる部分は自分で行うかによって変わり、自分で行う部分を増やすほどコストを抑えることができます。マーケティングリサーチを仕事にしていくのであれば必須の知識ですので、ぜひ押さえておいてください。
よくある質問
Q1:パネル調査とは何ですか?
A1: あらかじめ登録されたアンケートモニター(モニターパネル)に対して行うアンケート調査のことです。マクロミルなど数百万人〜数千万人規模のモニターを抱える調査会社のパネルを利用して、回答を集めます。
Q2:パネル調査を使うメリットは何ですか?
A2: 主に3つあります。①忖度のない第三者の率直な意見を集められる、②数百名規模の回答でも数時間程度で集まり実査が速い、③条件に合う対象者を効率よく絞り込める(スクリーニングが簡単)、という点です。
Q3:パネル調査の費用はどのくらいかかりますか?
A3: 全工程を調査会社に委託する場合は規模により数十万円〜数千万円と幅があります。実査のみを外部委託する場合は「回答数×質問数×10円」が目安の一つで、例えば500人×10問なら5万円程度です。対象者を細かく絞り込む場合は、別途スクリーニング費用が加算されます。
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