【5分で徹底解説】マーケティングオートメーション(MA)とは何か?


マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。

ここ最近、MAという言葉をよく聞くようになりました。
MAとは『マーケティングオートメーション』ですね。

直訳すればマーケティング活動の自動化という事になるのですが、内容についてまだきちんと理解していない方も多いのではないでしょうか。

実際、私の所にも『MAツールを導入すると自分でマーケティングを行う必要がなくなるのですか?』という質問がちらほらあります。
そんなワケないですよね(笑)

そこで今回は、おそらく今後の企業マーケティング活動の主流になるであろうマーケティングオートメーション(MA)の詳細と、活用にあたっての注意点を説明したいと思います。

 

MA(マーケティングオートメーション)とは?

マーケティング活動の『一部』を自動化する

先程申し上げた通り、MA(マーケティングオートメーション)とはマーケティング活動の

一部を仕組化・自動化させることであり、多くの場合はそれを実現させるツールのことを指します。
英訳そのまんまですね(笑)

一言でいうと、一元管理した見込み客情報から購入してくれる確率の高い『HOT』な見込み客をリスト化し、商談を効率化することができるシステムです。

これらの業務を自動化する事によって、これまで人が時間とコストをかけてやったマーケティングや営業活動の一部を効率よく回すことができる訳です。

 

なぜMAが注目されてきたのか?

MAが注目されてきた理由は主に2つです。

非効率な営業活動の見直し

MAを導入する事で大きく効率化するのは主に営業活動を有するビジネスかなと思います。
今でも営業活動は人海戦術であり、見込み客リストを基に片っ端から当たっていくという方法を取る企業も多いはずです。

ですが、そんな企業の営業マンは

●リストに掲載されている企業先が多すぎて全てにコンタクトする事ができない!
●コンタクトしても興味を示さない企業先が多すぎる!
●古い連絡先が掲載されていて連絡してもキーマンにコンタクトできない!

といった非効率な作業で困っているのではないでしょうか。

そこで、MAによって購入してくれる確率の高い『HOT』な見込み客を見極めて「濃い」リストを作り、営業コストの削減を狙う企業が増えてきた訳です。

 

インターネットの普及による『インバウンド』化

また、これまで営業活動で最初に見込み客にコンタクトするのは『電話』がメインでした。
いわゆるテレアポですよね。

しかし今ではインターネットが普及したことで、お客さんは商品・サービスに関する情報を自分で簡単に得られるようになりました。
そのため営業マンがお客さんと接する頃には、既にある程度商品の内容を認知していて購入検討を終えている・・・という事が普通に起こっています。

従いまして、昔のようにテレアポでは商談・契約に繋がりにくく、商品を検討し終えて購入に興味を持っている見込み客に的確な方法でコンタクトする方が営業としてははるかに効率が良くなってきたのです。

企業側が顧客からの電話や来訪などを受け付ける形態の営業を『インバウンド』と言います。
逆にこれまでのように企業側から積極的にテレアポなどを取る形態は『アウトバウンド』です。

時代が『アウトバウンド』から『インバウンド』に変化してきた訳ですね。

 

MAツールの主な機能

ではMAのツールって具体的にはどんな機能があるのでしょうか。
単にMAと言っても現在は様々なツールが販売されており、そのツールによって細かい機能は異なると思いますが、基本的にはどのツールも以下の機能を有しています。

●リードジェネレーション(見込み客の創出)
●リードナーチャリング(見込み客の育成)
●リードクオリフィケーション(見込み客の分類)

英語が苦手は人はカタカナだと分かりにくいですよね(笑)

“リード(Lead)”という言葉が出てきますが、これは『商品/サービスに興味があるものの購入する決心がついていない見込み客』の事を指します。

それを踏まえた上で1つ1つ説明します。

 

リードジェネレーション(Lead generation: 見込み客の創出)

リードジェネレーションと英語で言うとちょっと難しい感じになってしまいますが、要するに見込み客を獲得する為のマーケティング活動になります。
広告やサイトのSEO、展示会、セミナー・・・といったオンライン、オフライン諸々の活動がそれにあたります。
まずこれが新規顧客を獲得する最初のステップになります。

 

リードナーチャリング(Lead nurturing: 見込み客の育成)

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した見込み客に対して、購入決定に至るまでの必要な情報を提供して、商品/サービスにより関心をもってもらうことを指します。。

具体的には、自社の商品やサービスに関する事をメールやブログなどで配信するプロセスです。
MAツールを使うと、リードジェネレーションで獲得した見込み客に対して適切なタイミングでメールやブログを自動配信してくれます。

 

リードクオリフィケーション(Lead qualification: 見込み客の分類)

リードクオリフィケーションとは、育成した見込み客を興味度合いや属性などで分類し、顧客になり得そうなリードをリスト化するプロセスです。
これを行うことによって効率的な営業活動が可能になります。

例えば先ほどのリードナーチャリングのプロセスで配信したメールに関して、

・配信したメールの開封:+5pt
・メールに記載した商品のURLをクリック:+10pt
・メールに記載したお問合せのURLをクリック:+15pt

・・・etc

という形でスコアを付けたとすると、そのスコアが高いリード=その商品に高い興味を示しているリードという事になりますよね。
こうやって見込み客の中でも『HOT』な見込み客を選別していくのです。

 

MAツールの何が凄いのか?

3つのプロセスに繋がりを持たせる

もちろん、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションという言葉はMAが開発される前からありました。
ですが、これら3つの作業ができるツールは別々に存在していたので、データの連携ができなかった訳ですね。
その為管理・保有している顧客情報を有効活用する事が難しく、担当者が手間をかけて行っていたのです。

しかしMAツールの登場によって、これらを1つのツールに統合して管理、実施する事が可能になりました。
それによってこの一連の作業を流れ作業で、かつ円滑に進める事ができるようになった訳ですね。

 

1to1マーケティングを実現できる

また、もう1つのポイントは『1 to 1マーケティング』が実現可能になったという事です。
1 to 1マーケティングとは、見込み客1人1人に対するコミュニケーションをその人に応じて変える事ができるということです。

要するに、MAではメールの開封やリンクのクリックなどをウォッチしている訳ですが、その顧客の反応に応じてコミュニケーションを変える事ができます。
その人を顧客として獲得する為に必要な情報をピンポイントで提供する事ができるので、より効果的なマーケティング活動になるのです。

 

MAを導入する前に知っておくべきこと

全てのマーケティングを自動化する訳ではない

上記を読んでいただければお分かりの通り、MAはとても便利ですし、今後様々な業界に導入されていくはずです。

ですが、全てのマーケティング業務が自動化される訳ではありません。
どちらかというと、マーケティングの自動化というよりは『営業』の自動化というイメージを持った方がよいと思います。

またメールを最適なタイミングで送ることは自動化できますが、メールそのものやシナリオは人間が作らないといけません。

シナリオとは、

●どんな見込み客に (Who)
●どのタイミングで (When)
●どのようなコミュニケーションをとるか (How)

のことです。

どんなシナリオが良いのかは、トライアンドエラーで修正しながら構築していく必要があります。

 

MAを使いこなせる人材が必要

また、実際のツールを見ていただけると分かるのですが、様々な機能を使いこなせるようになるには結構時間がかかります。
更に上記の通り、トライアンドエラーを繰り返しながらシステム設計できる人材が必要です。

そして、もっと言えば配信するメールやブログといったコンテンツの作成も必要です。
これらコンテンツ作りも簡単ではなく、質の高いものを作るにはスキルと時間が必要です。

実際、ツールや設計が複雑すぎて導入しても活用できてない、成果が全く出ていない企業は数多く存在します。

 

まとめ

将来的には、MAは企業活動になくてはならないツールになるはずです。

ですが、導入したとしても有効活用できるようになるまでにはそれなりの時間が必要です。
『導入したらすぐにマーケティングが自動になるんだ!』と思っているとしたら大間違いです。

MAツールは今や色々な会社が開発しています。
上記を踏まえた上で、まずはどんなツールがあるのかを見た方が良いと思います。

 

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