【マーケッター必須スキル】『フェルミ推定』をマスターする!

 

こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。

今日は『フェルミ推定』についてお話しようと思います。
この単語そのものを知っているものの、内容はとなると『???』という方も多いのではないでしょうか。

マーケティングの場合、必要なデータが無い状態でも論理的な解を出さなければいけない事が多々あります。
そんな時にフェルミ推定が必要となってくるのですが、これは訓練さえすれば誰でもできるようになります。

またコンサルティング業界などに就職する際、面接でこのスキルを求められたりするようですね。

そこで今回は簡単な例題を基に、フェルミ推定のノウハウをお伝えしたいと思います。

『フェルミ推定』って何?

論理的思考による概算

フェルミ推定とは、正確なデータがないものを論理的思考によって概算することを指します。
例えばですが、

『日本国内全体で現在使用されている自動車は何台あるか?』

と突然聞かれても、何台あるか分からないですよね。
どこかに問い合わせれば分かると思いますが、必要な全てのデータが常に手元にあるということは極めて稀です。
しかし分からない部分は勘で処理するのではなく、論理的に思考して推定する力が必要な訳です。この『推定』する作業の事をフェルミ推定と言います。
もちろんこれはマーケティングだけではなく、ビジネスにおいてあらゆる場面で威力を発揮するスキルです。

【例題】フェルミ推定で解いてみよう

先ほどの『日本国内で現在使用されている自動車の台数』をフェルミ推定で導き出してみましょう。

①日本の総人口:約1.2億人
②日本全国民に対する運転免許保有率:約74%

ということは、日本国内の運転免許保有者全員が1台ずつクルマを持っているのならば、① × ② = 約8,880万台となります。
もちろん、免許を持っているけどクルマは持っていないというペーパードライバーの方もいます。しかし一方で、クルマを複数台持っているという人もいます。

その為、数字は若干増減すると思いますが、だいたい8~9,000万台じゃないかな・・・という推定ができますよね。
これがフェルミ推定です。

①も②も政府が公開している公のデータです。このように手に入るデータを使って自分の知りたい数字を推定する訳です。

※実際、国内全体の自動車保有台数は『一般財団法人 自動車検査登録情報協会』で公表しているのですが、それによると令和2年8月現在で約8,200万台だそうです。かなり正しく推定できてますね。

一番確からしい推定方法を探る

しかし、クルマの台数を推定する方法は上記だけではありません。
おそらく人それぞれ違うアイデアが浮かぶと思いますし、1人で複数の推定方法を考え出す人もいるはずです。

例えば上記以外の方法として、『単位面積あたりの自動車の台数から推定する』方法も考えられます。
自分の住む街を見渡してみると〇〇km2当たりに××台のクルマがあるので、日本全体(38万km2)に拡大換算すると・・・というやり方ですね。

但しこの場合、地方と都市部では人口密度が異なるのでクルマの密度も異なると考えられます。
従いまして単純に自分の街のクルマの密度を考慮するだけでは大きく外しそうな気がします。

またそれ以外にも『日本国内で消費されるガソリンの量』から導き出す方法も考えられます。
要するに”1年間に国内で消費されるガソリンの量”と”クルマ1台が1年間で消費するガソリンの量”が分かれば、単純に割り算で導き出す事ができるはずです。

ただトラックと軽自動車では、”クルマ1台が1年間で消費するガソリンの量”が大きく異なると思いますので、その辺りをどのくらい正確に見積もれるかがポイントになると思います。

以上のように推定の方法はたくさんある訳です。
必要なのはこれらのアイデアの中から、『どの方法が一番正確に推定できそうか?』を考える事がマーケティングの実務でフェルミ推定を行う時に大事となります。

フェルミ推定の基なるデータ

上記のように国内でフェルミ推定を行う場合は日本に関する最低限のデータを知っておく必要があります。
まずは基本データとして以下を覚えておきましょう。

国民総人口:1億2千万人
世帯数:約5,000万世帯
国土面積:約38万km2
平均寿命:84歳
労働力人口:約6,000万人
1年に産まれる子供の数:約100万人
(令和2年11月現在)

平均寿命や労働力人口、子供の数などは毎年変わっていますので逐次最新データをチェックしておきましょう。
特に子供の数などは最近でいうと100万人を割っていますからね。

『ザックリ』がフェルミ推定のコツ

フェルミ推定は『ザックリ』した数字が求められればそれでOKです。
実態とは全然違う数字が出てきたら問題でしょうが(例えば日本国内のクルマの台数は100台とか・・・)、”だいたいこのくらい”という感じで求められればよいのです。

どちらかというと数字が苦手な文系の人より、数字に細かい理系の人の方がフェルミ推定を苦手としているかもしれません。
あまり細かい部分に捕らわれず、分からない所は『〇〇と仮定する!』としてしまうのが良いです。
何事も正確にやろうとするといつまで経っても推定できないですからね。

※参考記事

 

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