『マーケティングリサーチとは何か?』という基本的な問いに答えるとしたら

こんにちは。
マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。

今日はタイトルにも書きましたが

『そもそもマーケティングリサーチとは何か?』

という超ベーシックなことについてお話します。

この話は、私、渡邉がマーケティングリサーチアドバイザーという名のもとで活動している理由の原点です。

是非、最後まで読んでくださいませ。

そもそもマーケティングとは何か?

マーケティングリサーチについて話をするのであれば、まず最初に『マーケティング』についてお話ししないといけないですよね。

皆さんは『そもそもマーケティングって何?』と聞かれたら何て答えますか?

非常に漠然とした言葉なので説明しろと言っても結構難しいと思います。

ある人は『広告』の事をマーケティングというかもしれません。
またある人は『集客』のことをマーケティングというかもしれません。

実際に一般企業のマーケティング部を訪ねてみるとチラシを作っていたりテレビ広告を製作していたりします。

ですが正確に言うと、広告も集客もマーケティングの一部です。
広告(または集客)=マーケティングではないんですよね。

マーケティングを『お見舞い』に例えてみたら

お見舞いに何を持って行きますか?

僕は自分の講演などで『マーケティングとは何か?』を話す時、いつも「病院のお見舞い」を例に挙げて説明します。

少し脱線するのですが、ちょっと私の過去の話を聞いて下さい。

2005年秋の事なんですが、僕は3週間ほど入院をしていました。
『ラムゼィハント症候群』という病気なんですが、一言で言えば「顔面神経麻痺」の一種です。
ある日急に顔の右半分が動かなくなるという何とも奇妙な病気です。
どうやら仕事のストレスが原因らしいのですが、ただ顔が動かないだけで体はピンピンしているのです。

手術はありません。
ただ3週間、ベッドの上で点滴を受け続けるという何とも退屈な時間を過ごしていました。
(後から聞くと通院でも大丈夫な場合があるそうなのですが、点滴にかなり強い薬を使う為何かあった時の為に入院させるのが通例だそうです。)

その時にある友人(A君)からもらったお見舞いが一番記憶に残っています。

『みんなのゴルフ』という当時人気だったPSP(プレイステーションポータブル)のゲームソフトでした。
友達数名でお金を出し合って買ってくれたそうです。

minnano-golf

顔の半分が動かないだけで手足は至って正常。
ベッドの上で暇を持て余していた僕の喜びは相当のものでした。
当時ゴルフは、週2~3回練習場に通うくらいハマっていましたし。

しかもA君がお見舞いに来る数日前、あまりに暇なので妻にお願いして家にあるPSP本体とソフト数本を持ってきてもらったところだったのです。

正直そのソフトにも飽き飽きしていたので、『みんなのゴルフ』は僕にとってまさに救世主でした。

一方、他にもたくさんの友人が来てくれたのですが、みんなが持ってきたのはゼリーの詰合せや菓子折などの
食べ物類でした。

しかしこれらの食べ物、自分ではほとんど食べずお見舞いに来てくれた他の人たちにあげてしまいました。

(わざわざ買ってきてくれた友人の皆さん、大変申し訳ないです・・・)

実は顔面神経麻痺って結構不自由でして、口を動かすのも結構大変なんですよね。

だから麻痺している間はストローでジュースを飲むことができません。
口の右半分が動かないので空気がそこから漏れてしまい、ストローを吸う事ができないのです。

せんべいなども、食べると口の右側からボロボロとこぼしてしまいます。味噌汁も満足に飲めません。
しかし食欲は普通にあるので、毎日いつもイライラしながら病院の食事を食べていました。

そんな状態なので、食べ物をもらっても実は困るのです。

(わざわざ来てくれた友人の皆さん、本当に申し訳ありません。あとで菓子折持って謝りに行きます(笑))

ただ、そのPSPをくれたA君だけはその事をきちんと察していました。

なぜならお見舞いに行く前日に私の家に電話をかけ、妻に僕の容態を詳しく聞き込んでいたんですね。

『どんな状態なんですか?』
『ベッドからは起き上がれるんですか?』
『食べ物は普通に食べられるんですか?』

などなど。

PSPの事も、今あるソフトに飽き飽きしている事もきちんとチェックしていました。

また既にお見舞いに行った知り合いにも話を聞いて、何をプレゼントに持って行けばよいかを考えていたのです。

プレゼントを贈る相手の情報を取る

さて、ここが超重要なポイントです。

A君だけ、なぜ喜ばれるプレゼントを用意できたのか?
それは『プレゼントを贈る人の情報』をきちんと把握したからです。

今その人を取り巻く状況、心境、他の人のお見舞いの品・・・これらの情報を徹底的に調べた訳ですよね。

『私だって友人が入院したら、どんな状況なのかきちんと情報収集するよ!』と思うかもしれません。
ではご自身のビジネスにおいてはいかがでしょうか?

個人経営者も企業も関係なく本質は同じであり、綺麗ごとのようですが常に相手が喜ぶことを考えて実行すれば自ずと結果はついてくるはずです。

その為にはA君のように、

『お客様を知る』

事が絶対必要です。

そして、その『お客様を知る』為の手段がマーケティングリサーチというものになります。

マーケティングを学問的に語れば

ドラッカーの言う『マーケティングとは』

このサイトではマーケティングリサーチを面白く語りたいのであまり小難しい話はしたくありません。

しかし経営学者で世界的に有名なピーター・ドラッカーはマーケティングの事を著書『マネジメント【エッセンシャル版】』の中でこう言っています。

 「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。」

“マネジメント【エッセンシャル版】”より引用

要するに営業とか売り込みとかしなくても、自然に「売れてしまう状態」にするのがマーケティングということです。

その商品やサービスをお客さんが目にした時、「ああ、これが欲しかった!」と思ってもらうようにすることなんですね。
そうすることによって始めてお客さんは財布の口を開きます。

もちろん営業無しでモノを売るなんてかなり難しく、現にドラッカーも『マーケティングの理想は・・・』と言ってます。
ただこの理想に近づける事がビジネスにおいて非常に大事だと思います。

そして、その理想に近づける為にはお客さんが何を欲しているのか、何を望んでいるか、何に価値を感じるのかという事を売り手が知る必要があり、その為に「リサーチでお客様を把握する」という行為が必要なのです。

ではどうすればよいか?
手っ取り早いのはお客さんに聞く事ですよね。
ドラッカーも「顧客に聞け」とマネジメントの中に書いています。

『顧客に聞く』って難しい

ただ、1つ知っておいていただきたいことがあります。
それは多くの場合、お客さんは本音で答えてくれないという事です。
もっと言えば、お客さん自身も自分が何を欲しているのか、何が不満なのか説明できないという場合が数多くあります。

例えば皆さんがコンビニでミネラルウォーターを買う時。

エビアン、ボルビック、いろはす、南アルプスの天然水など様々な銘柄が並んでいると思いますが、その中であなたは『いろはす』を選択したとします。

その時急に店の奥からマイクを持った人が出てきて、
『今あなたは何故いろはすを買ったんですか?』
『なぜエビアンを選ばなかったんですか?』
と質問されたら答える事ができますか?

多分正確に自分の気持ちを答える事は難しいと思います。

仮に何か答えられたとしても、それは『その場しのぎの言葉』ではないでしょうか。

これがマーケティングリサーチが難しい1つの要因です。
人間の『行動の不合理性』というものです。

なぜ『いろはす』を買ったのか答えられないように、人間は自分が行動した理由を正確に説明する事ができない動物なのです。

ただ、では本音や正確な説明を聞く事は不可能なのかと言われるとそうではありません。
そこにはマーケティングリサーチのテクニックというものがある訳です。

今回はそのテクニックまで深く突っ込んで書くことはできません。
そんなの書いたら膨大な量になってしまいます(笑)

しかし、僕が書いている他のコラムやメール講座でそのテクニックを詳しく解説しています。
更には有料ですが、セミナーやオンライン講座も開講しています。

最後は僕の宣伝になってしまいましたが、是非マーケティングリサーチをマスターしてご自身のビジネスに役立ててください。

 

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