お客さんを虜にした、目から鱗が落ちる価格戦略

こんにちは、マーケティングリサーチアドバイザーの
渡邉です。

今日はある企業の価格戦略についてご紹介します。

こんな話をすると、企業がやっている事だから地域活性化と
何も関係ないだろ?という人がよくいらっしゃるのですが
いえいえ、そんな事はありません。

以前も書いた通り、地域活性化はその地域の「経済」を
活性化させることですので、いわば一種のビジネスと
思っていただかないといけません。

ですから、企業がどんなマーケティング戦略をやっているのか、
たくさん情報を集めて、パクれるものはパクって下さい

商標権などを無断で使用するのはNGですが、
戦略そのものをパクる事は何ら悪いことではないです。
(ただ、パクり方にもコツがありますので、それは追々お話しますが)

『ドンドンダウンオンウェンズデイ』に学ぶ

『ドンドンダウンオンウェンズデイ』というお店をご存知ですか?
ここ最近、東日本を中心に店舗拡大されている古着屋チェーンです。

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古着屋さんや古本屋さんの価格戦略というのは
素晴らしいものがあります。

というのは、彼らは中古品を買い取り、それを売る事によって
利益を得る訳ですから、他業界よりも価格戦略に気を使わないと
ビジネスとして大失敗してしまいます。

ただ、そんな古着/古本屋業界の中でもこのお店の価格戦略は
非常にユニークでかつ合理的です。

値段がドンドン下がっていく

まず、お店に入ってびっくりするのは
各商品の値段を表示するタグがないという事です。

その代わり、10種類の野菜や果物(かぼちゃ、バナナ、、すいかetc)の
札が商品に付いています。

この札が実はその商品の「値段」を表しています。
そしてここがポイントですが、毎週水曜になると全ての商品が値下がりします。
「ドンドンダウンオンウェンズデイ」というお店の名前の通りです。

例えば、今週かぼちゃが付いている商品は全て7000円ですが
買い手がなければ来週の水曜に5000円に値下がり
さらに誰も買わなければその翌週に4000円に下がる・・・という具合です。

そしてお客様は、毎週自分が買いたい商品の値段を見て
『買ってもいい!』という所まで下がったら購入します。

ただ誰も買わなければ10週目には最終的に100円まで値下がりします。

この価格戦略の3つのメリット

このシステム、最初に見た時に私は感動してしまいました。
これは非常に素晴らしいアイデアです。

お店側としては3つのメリットがあるからです。

1. 購買促進させる事ができる

気に入った商品があった場合、お客様はまず考えるでしょう。
来週になれば値下がりする、でもそこまで待っていると
もしかしたら他の人に買われてしまうかもしれない。
どうしようかな、今日買っちゃおうかな・・・

という風に、お客様の購入意欲をかき立てる効果があり
かつ買い物をゲーム感覚で楽しむことができます。

結果として、お客様を楽しませながら販売できるのです。

 

2. どの商品が高く売れるのかを知ることができる

お客様が高く買ってくれるブランドは何なのかを把握できます。

通常、こういった事を知るにはお金をかけて調査を行う必要がありますが
ドンドンダウンの場合は”調査をしながら商売をしている”訳です。
しかも調査費用は無料です。

『どのブランドをいくらで買ってくれるか』を知ることは
古着屋にとっては命綱といってもいいくらい重要な情報です。

それがわかれば、どのブランドをたくさん仕入れるか、
またそれぞれのブランドの買取価格をいくらににするかを
検討する際の貴重な情報になるのです。

 

3. 適正価格を知ることができる

値段はまず高く設定して、そこから徐々に下げていきます。
そしてお客様は自分で納得した段階の価格で購入します。

ということは、理論的には”お客様が買ってくれる最高価格”
売ることができるのです。

普通に商売をしていたら、今売っている商品の値段って妥当かどうか
迷うことってありませんか?

価格の妥当性。
これを調べる方法はないわけではないのですが
(このあとその方法をお話しますが)
調査をしないといけないので、当然のことながらお金がかかります。

お金をかけずに市場調査ができてお客様が買ってくれる最高価格も把握でき
かつ購買促進まで図ることができる。

この戦略の素晴らしさ、おわかりいただけたでしょうか?

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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