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マーケティングを知らない経営者ほど『若者』に頼る

  1. 1.マーケティング一般知識

こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉です。
ビジネスがうまくいかない時、「そうだ!若者にアイデアを出してもらおう!」と考える経営者は意外と多いものです。
新しい発想、斬新なアイデア、これまでになかった視点。そうしたものを求めて、若者の意見に耳を傾けるという行為は一見前向きに思えます。
しかし本当にその方法で、ビジネスの根本的な課題が解決できるのでしょうか。

結論から言えば、答えは「No」です。
なぜなら、意見を聞くべき相手を間違えているからです。経営において重要なのは、自社の商品やサービスのターゲットとなる顧客層の声に耳を傾けることです。
若者の声は参考になることもありますが、それはあくまで補助的なものに過ぎません。

※このブログの内容はYouTubeでも紹介しています!


なぜ若者に頼るのか?その背景

経営が行き詰まると、経営者やマーケティング担当者は焦りを感じます。
その結果、「何か新しいことをしなければ・・・」と考え、普段なら選ばない手段に飛びつくことが少なくありません。特に、社内外の若者にアイデアを求めるのはその典型です。

若い人たちは柔軟な発想を持ち、デジタルネイティブとしての視点や流行に敏感な感覚を持っています。
確かに、彼らの意見には目新しさや斬新さがあります。しかし、ビジネスの課題は単なる新しさや目新しさで解決できるほど単純ではありません。
特に、ターゲット顧客が若者でない場合、その意見は的外れになるリスクが高いのです。


実際の事例:若者に頼って失敗した企業

1. 地方テーマパークの事例

ある地方の第三セクターが運営するテーマパークでは、開業から20年が経過し、入場者数が開業当初の半分以下に落ち込んでいました。
何とか状況を打開しようと社長は社内でアイデア出しを行いましたが、目立った案は出てきません。そこで「そうだ!若者に聞こう!」と、地元の大学生を集めてアイデアを求めたのです。

集まった若者からは、テーマパークにキッチンカーを呼んでイベントを開く、パンフレットを若者向けにリニューアルするなどの提案が出ました。
実際にそれらは実行され、地元メディアにも取り上げられ、一時的に入場者数は増加しました。
しかし、その効果は長続きせず、ほどなくして入場者数は再び減少してしまったのです。

2. 都内住宅リフォーム会社の事例

東京の住宅リフォーム会社では、新しいモデルルームに約10億円を投じました。
ところが、オープン後半年間の来場者はわずか10組。焦った経営陣は若手社員とその友人たちを招き、モデルルームを見せて意見を募りました。
その結果、若手社員たちは、Pepperくん(ソフトバンクが開発した人型ロボット)が来場者をお出迎えしてくれる案や、動画CM制作などのアイデアを出しましたが、実際にそれらを反映しても来場者数は伸びませんでした。


共通する失敗の原因は「ターゲティングの欠落」

これらの事例の失敗には共通点があります。それは、本当に意見を聞くべき相手を間違えているということです。
テーマパークなら、小さなお子さんのいるファミリー層こそがメインのターゲットです。
また住宅リフォームであれば、家族の成長に合わせて住まいを見直そうとする40代、50代の夫婦が主要なターゲットになるはずです。
ところが、これらの企業はなぜかその声を拾わず、若者にばかり意見を求めてしまったのです。

本来であれば、テーマパークの事務所を一歩出れば、園内にはファミリー客が溢れています。その中で「少しお時間いただけませんか?」と声をかけ、インタビューをするほうがよほど的確な意見が得られたはずです。


経営者が今すぐすべきこと

もちろん、若者の意見を聞くこと自体が間違いだと言っているのではありません。
若者ならではの新しい視点や発想は、時にビジネスにプラスの影響をもたらします。しかし、それはあくまで「補助的」な意見であり、戦略の軸となるのはあくまでターゲット顧客の声です。

マーケティングの基本は「誰をターゲットにビジネスを行うのか」を明確にすること、すなわちターゲティングです。
ところが、多くの企業ではこの基本が実行されていません。
「ターゲティング」という言葉は知っていても、それを実際の施策に落とし込めていないのです。

もしあなたのビジネスがうまくいっていないなら、まずは「誰のためのビジネスなのか」を見直してください。
今ターゲットにしている顧客層は誰ですか?その人たちの声を直接聞いていますか?アンケート、インタビュー、座談会など、意見を拾う方法はいくらでもあります。
若者に頼るのは、ターゲット顧客から意見をしっかり収集し、施策に反映させた「その次」で十分です。


 まとめ

「若者に意見を聞けば新しい道が開けるはず」という発想は、時に経営者の焦りから生まれる幻想です。
ビジネスの本質は、ターゲット顧客のニーズを正確に把握し、それに応えることにあります。
ぜひ、今日からでも自分のビジネスのターゲットを明確にし、その声を集めることから始めてください。それこそが、持続的な成長への第一歩となるはずです。


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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
『上毛かるたはカタル』 (2023年12月)

◆Webサイト
https://lactivator.net/

◆お仕事の依頼はこちらから↓
https://lactivator.net/request_from_corporation/

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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
『上毛かるたはカタル』 (2023年12月)

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・投影資料の各スライドは5秒で理解してもらえるように工夫する 
・キラーチャートを必ず1枚つくる 
・PREP法でストーリーを作る 

の3つです。

◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

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1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
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1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
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