
マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
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こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。
先日SNSで、興味深い書き込みを見つけました。
女子大生がキャバクラでバイトをしていると聞くとふしだらな感じがするが、キャバクラ嬢が昼間は大学で勉強していると聞くと立派に感じる。
どうでしょうか。言っていることは全く同じだと思うのですが、受ける印象が全然違いますよね。
前者は、「それは感心しない」と思う人も多いと思いますが、後者は、「偉い、頑張っているな」と応援したくなりませんか。ちょっと不思議ですよね。実は、この心理は、マーケティングで超重要なお話です。
結論から言うと、同じ情報でも伝え方や表現を変えるだけで受け取り方がガラッと変わります。
この現象を、心理学ではフレーミング効果と言います。
▼動画でも解説しています
フレーミング効果とは
フレーミング効果とは、言葉の枠組み、つまりフレームを変えることで相手の物の見方や判断に影響を与えることができるという効果です。行動経済学などでも頻繁に取り上げられています。
例えば仕事のノルマの進捗状況を上司に説明する時、
『まだ目標の6割しか達成していません』
と言うのと、
『目標達成まで残り40%です』
と言うのでは、状況としてはまったく同じなのに伝わるニュアンスが全然違います。
前者を上司に伝えると怒られる確率が高いと思いますが、後者ならその確率はそこそこ小さくなるのではないでしょうか。
※行動経済学については、こちらのブログで解説していますのでご覧ください!
広告でのフレーミング効果
広告でも、フレーミング効果はたくさん使われています。
よくあるのが、
「この1粒で、レモン1個分のビタミンCが取れます」
というものです。
一般に、レモン1個にはビタミンCが20mgほど入っていると言われています。
ただ「この1粒でビタミンCが20mg取れます」と言っても、おそらくほとんどの方はピンとこないと思います。
そこで伝え方のフレームを、ビタミンCの具体的な量から身近な基準に置き換えているのです。
皆さんの商品の広告でも是非使ってみてください。
もちろん嘘はいけませんが、真実の範囲内でこれを使って表現できれば、広告効果を爆発的に上げることができます。
成功ストーリーは、なぜ「ダメな過去」から始まるのか
更にこのフレーミング効果は、人のプロフィールや経歴をアピールしたい時にめちゃくちゃ使われています。
例えば、次のようなものです。
- いじめられっこだった俺が、ボクシングで世界チャンピオンにまで登り詰めた話
- 10年間ニートだった私が、年収1,000万円を稼げるようになった方法を公開
- 偏差値35から猛勉強して、東大に合格できたワケ
ちょっと胡散臭いものも入っていますが、こんなお話に見覚えはないでしょうか。
こうした成功ストーリーは、実はすべてフレーミング効果が使われています。わざとネガティブな過去を先に提示して、そのあとに「そんなにすごいことになったの!」という相手の予想を裏切るようなポジティブな要素を持ってくるのです。
これが人の興味をぐっと引きつける話の流れです。
「いじめられっこだった自分」という超ネガティブなフレームからスタートして、「世界チャンピオン」という超ポジティブな結果で終わる。
このギャップが私たちの心をつかみますし、「どうやって登り詰めたの?」とその過程を知りたくなります。その人に興味を持ち始めるのです。
プロフィールの比較
逆にこんなプロフィールはどうでしょう。
「一流大学を卒業後、大手コンサルファームに就職し、その後ハーバード大学へ留学。現在は日本へ戻って企業の海外進出などをアドバイスするコンサル会社を経営しています」
もちろんすごい経歴ですし、本人は努力したのだと思います。
でも「ふーん」という感じですよね。努力感が伝わってこないのです。
ではこう変わったらどうでしょう。
「一流大学を卒業して就職したあとも何度も会社をクビになった僕が、つたない英語を頼りに単身でアメリカへ留学して、現在ではニューヨークで会社を経営しています」。
こちらのほうが「この人は、一体何があったんだろう」「どんなふうに頑張ってきたんだろう」と、興味が湧いてきませんか。
誤解してはいけないポイントと、リサーチへの応用
ただ誤解しないでいただきたいのは、嘘をつくということではありません。
もちろん中には話を盛っている人や若干嘘をついている人もいるかもしれませんが、誰だって挫折や失敗はありますよね。
そのネガティブな過去を多くの方が隠しがちで、自分のキラキラしたところだけをピックアップする。
いわゆる自己顕示のようなものが人間誰しもあります。
そうではなく、あえて自分のダメな部分を先に提示することで共感と驚きを与える。
これがフレーミング効果を使った自己PRの基本です。誰でも使えるテクニックなので、自分をブランディングしたい時にはおすすめです。
このフレーミング効果はマーケティングリサーチにも応用できます。
例えば同じアンケート調査の結果でも見せる順番や強調するポイントを変えるだけで、役員の方々へのプレゼンが劇的にうまくいくことがあります。
プレゼンには極意がありますので、知っているようで知らないマーケティングリサーチの裏側をこれからも楽しく解説していきます。
まとめ
今日のポイントは4つです。
- 同じ事実でも、見せ方(フレーム)ひとつで印象が180°変わる。(フレーミング効果)
- 広告では伝え方のフレームを、身近な基準に置き換えて使う(ただし、嘘はNG)
- 成功ストーリーはあえて「ダメな過去」を先に見せて、ギャップで興味を引いている
- 自己PRでもキラキラした部分だけでなく、正直に語った失敗が共感を生む
自分の経歴をPRしたいとき、無理にキラキラした部分だけを見せる必要はありません。
むしろ少し失敗した過去を正直に語るほうが、聞いている人の心には刺さります。
過去の失敗や挫折を、単なるダメだった話で終わらせず、成功への最高のスパイスに変える力をフレーミング効果は持っています。
よくある質問
Q1:フレーミング効果とは、何ですか?
A1:同じ情報でも、伝え方や表現の枠組み(フレーム)を変えることで受け取り方や判断が変わる心理効果のことです。例えば、「6割達成」と「残り40%」では伝わるニュアンスが変わります。
Q2:成功者が、あえて「ダメな過去」を語るのはなぜですか?
A2:ネガティブな過去を先に提示することで、相手の予想を裏切るギャップが生まれ共感と驚きを与えられるからです。「どうやって成功したの?」と、その過程への興味も引き出せます。
Q3:フレーミング効果を使うとき、注意することはありますか?
A3:嘘をつかないことです。真実の範囲内で見せ方や伝え方を工夫することが大切です。





















