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【ポイント解説!】アンケートでブランドイメージを評価する方法

  1. 2.定量調査(アンケート調査)

最終更新日: 2020年1月17日 by 渡邉 俊

マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。

今日は『ブランドイメージ』についてのお話です。

人が何かを購入する際、その商品やブランドのイメージが大きく影響します。
どんなに良い商品であったとしてもそのイメージが悪ければお客さんは買ってくれませんし、品質はさほど良くなくてもイメージが良ければ売れてしまう事もあります。

品質は良くないのにイメージが良いから売れている商品・・・頭の中にいくつか浮かぶのではないでしょうか(笑)

従いまして、ブランドイメージを管理することは品質管理と同じくらい重要な事なのです。

そしてイメージを管理する為には、『世間一般の方々が自社または自商品についてどのようなイメージを持っているのか?』を定期的に調査して把握する必要があります。

今日はその『ブランドイメージ』に関する調査方法についてお話しします。

 

『ブランドイメージ』を把握する調査

ブランドイメージ調査とは?

『ブランドイメージ調査』とは、対象となる商品やブランドについて世間の方が持っているイメージを把握する調査です。

mogi_image

例として、このグラフではA~Dの4つのブランドについてイメージを調査したものです。

これを見ると、

●ブランドA、B、Cは大きな違いはないが、ブランドBは『値段が手頃な』というイメージがやや弱く、またブランドCは『個性的』というイメージが強い。

●この中で一番特徴的なのはブランドDであり、『親しみやすい』、『先進的』というイメージが強い一方、『職人技である』、『高級感がある』は弱い。

という事が分かりますよね。

このように、ブランドイメージを把握する場合はいくつかの『イメージワード』を設定し、その強弱をアンケートで聴取するのが一般的です。

※Lactivatorの無料メール講座では、マーケティング調査の際に陥りやすい8つの誤解を徹底解説しています。
こちらの方も是非ご購読下さい。

 

ブランドイメージ調査に必要な質問

このアウトプットを出す為の質問はそれほど難しくはありません。

以下のような質問を設定したイメージワード毎に聞き、その結果をスコア化するだけです。

『あなたは〇〇(会社名や商品名)について、以下の言葉はどの程度当てはまると思いますか?以下の中から当てはまるものを全てお選びください。
1.とてもそう思う
2.そう思う
3.どちらともいえない
4.そう思わない
5.全くそう思わない

上のグラフの場合、各イメージワード毎に『1.とてもそう思う』を4点、『2.そう思う』を3点、『3.どちらともいえない』を2点、『4.そう思わない』を1点、『5.全くそう思わない』を0点として平均点を求めています。

image_score

こちらはブランドAの『伝統のある』というイメージに関する結果です。

651人が回答をしていますが、これの平均点は、

formula

となりますので、スコアは2.9になります。
これを各イメージワード毎に計算します。

 

ブランドイメージ調査の注意点

どんなイメージワードを設定すべきか?

いざブランドイメージ調査をやるとなった時に必ず迷うのが、『どんなイメージワードを設定するか?』です。
そこが一番のポイントですね。

基本的にイメージワードは、

●自商品にどんなイメージを持ってもらいたいのか?⇒これが一番重要
●お客様は競合にどんなイメージを持っていそうなのか?
●その業界で生き残る為に必要なイメージは何か?

を考慮した上で設定します。

例えば、先ほど上で見せたブランドイメージ調査は、男性用カバン業界の複数のブランドに対して行ったものですが、この中で、

●『伝統のある』、『高級感がある』、『職人技である』
⇒自商品(ブランドA)に抱いてもらいたいイメージ

●『おしゃれ』、『個性的』、『先進的』、『値段が手頃な』
⇒競合(ブランドB、C、D)に対してお客様が抱いていそうなイメージ

●『安心・信頼できる』、『品質がよい』、『親しみやすい』
⇒カバン業界を生き残る為に必要なイメージ

という事を想定してワード設定しています。

この3つの中で一番重要なのは、『自商品にどんなイメージを持ってもらいたいのか?』です。
自分の商品についてですから最優先で調査をしなければなりません。

但し、設定するワードが多すぎると回答者に負担がかかります。
上記のカバン業界のブランド調査の例ではワード数:10個 x ブランド数:4個なので、合計40個の評価を回答者は行っています。

この評価数が多すぎると回答者もモチベーションをなくしてしまいます。
回答者の負担を考慮してワード数を調整しましょう。

 

イメージワード検討に便利なサイト

基本的にイメージワードは形容詞か形容動詞になります。
その為、どんなワード設定にすべきか迷った時、僕自身は『ウィクショナリー』で色々な形容詞、形容動詞を見て発想したりします。

迷ったら是非こちらを見てください。

ウィクショナリー:カテゴリ 日本語 形容動詞

ウィクショナリー:カテゴリ 日本語 形容詞

もちろん上記の事例の『値段が手頃な』のように複合的なワードにすることもありますので、あくまでウィクショナリーは発想の起点にするものです。

 

ネガティブなワードを設定しない

基本的にイメージワードは、意味がポジティブなものを選びます。

当然ですが、例えば『陳腐な』、『貧しい』、『在り来たりな』というネガティブな意味を持つイメージは自分に付いて欲しくないですよね。

それと、設定したものの中にポジティブなワードとネガティブなワードが混在すると、データをまとめる際にややこしくなります。

ポジティブなイメージワードはスコアの値が大きいほど良いのに対し、逆にネガティブなイメージワードは値が小さいほど良い事になりますよね。
なので、混在するとグラフが見にくくなってしまうのです。

設定するワードはポジティブな意味を持つもので統一する。これがセオリーです。

 

調査対象者は『中立的に評価できる人』

これもかなり重要なポイントです。

ブランドイメージ調査を行う場合、基本的には『アンケートモニターパネル』などを使って中立的に評価できる人に回答してもらう必要があります。

たまに、自社商品の購入者や自社の会員登録者などを対象に、自社及び他社ブランドのイメージ調査を実施する方がいます。
費用も安く済みますが、それだと自分のブランドのイメージは本来よりも良い結果になり、競合のブランドイメージは悪い結果になるはずです。

自社商品を購入しているということは自社に不満を持っている可能性は低いはずですから当然ですよね。
これは言い換えれば、自社びいきの調査をやってしまっている事になります。

従いましてブランドイメージ調査を行う際には、『どうすれば中立的な評価ができるか?』を考えてアンケートの対象者条件を設定する必要があります。

※アンケートモニターパネルについては以下で詳しく解説しています。
中立的な評価を行う調査には絶対に必要なツールですので、是非ご覧ください。

 

ブランドイメージは日々変化する

ブランドイメージ調査は1回やっておしまいではなく、定期的に実施する事を是非ともおススメします。

なぜなら1つのブランドのイメージは広告の内容や出稿量、商品やサービスの質、価格の改定、値引きなど多くの要因で時間と共に変化しているからです。

今回結果が良かったとしても1カ月後に同様の結果が得られるとは限りませんし、また逆もあり得ます。
ですからブランドイメージ調査は、同じ間隔で定期的に実施し、結果をトラッキングする必要があります。

 

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最終更新日: 2020年1月17日 by 渡邉 俊


【第30回】商品やサービスの価格設定は誰しも悩むところですが、だからといって思い付きでやってはいけません。大企業や有名ブランドは消費者心理学に基づいた価格設定を当たり前のようにやっています。その中の基本的なモノを4つ紹介します。

◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
『上毛かるたはカタル』 (2023年12月)

◆Webサイト
https://lactivator.net/

◆動画で紹介した『PSM(許容価格帯分析)』の解説はこちら↓
https://youtu.be/LPvZAGkno84

◆お仕事の依頼はこちらから↓
https://lactivator.net/request_from_corporation/

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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
『上毛かるたはカタル』 (2023年12月)

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◆動画で紹介した『リサーチモニターパネル』の解説はこちら↓
https://youtu.be/WpCbGJ6VrFE

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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
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◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

また上記以外にも故郷:群馬県の地方創生の為に、『上毛かるた』の全国大会である『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた世界一決定戦~』を開催。培ってきたマーケティングにノウハウを地方創生に活用する活動を展開している。NHK、新聞、雑誌、メディア取材多数。

◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
『上毛かるたはカタル』 (2023年12月)

◆Webサイト
https://lactivator.net/

◆お仕事の依頼はこちらから↓
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広告のクリエイターは、お客さんに"欲しい!"と思わせる為に様々な仕掛けを広告に織り込みます。いわゆる『消費者心理学』に基づいた仕掛けですが、その中でも重要な6つのカラクリを紹介します。

◆渡邉 俊のプロフィール
1977年1月、群馬県生まれ。マーケティングリサーチ事務所 Lactivator 代表 / 一般社団法人KING OF JMK代表理事。
2001年に自動車メーカーに入社して、15年間マーケティングリサーチや商品の品質保証を担当。その後2016年に独立してマーケティングリサーチの専門事務所を設立。
現在はランドセルメーカーや資格学校、地方自治体など幅広い分野でクライアントを抱え、マーケティングリサーチ業務を行っているこの道20年以上のベテランリサーチャー。

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◆著書
『アンケートは仕込みが全て』 (2025年2月)
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◆Webサイト
https://lactivator.net/

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