マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
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こんにちは!
マーケティングリサーチャーの渡邉です。
今日は趣向を変え、マーケティング職またはマーケティングリサーチ職への転職についてお話します。
『マーケティング』という職種は結構人気があるようで、企業の中でも花形部署となっている事も多いです。
商品を売る為の戦略を考える訳ですから、外から見るとカッコよく見えるのかもしれません。
但し一方でマーケティング職に転職したくても、『ある程度経験がないと難しいのでは・・・』と考えている方も多いようです。
そこで今日は、転職してマーケティングやりたい!という方の為にいくつか僕の経験をお話ししたいと思います。
【結論】マーケティング職への転職に経験は必要なし
実は僕自身も、最初は自動車会社のエンジニア職として就職し、その数年後に社内転職の希望を出してマーケティングリサーチ部門に転勤しました。
要は全くの未経験からマーケティング部門に採用された訳です。
またその後、そのリサーチ部署の採用面接官も何度か経験しましたが、マーケティングの経験があるかないかはあまり重視しませんでした。
従いまして、もちろん経験があるに越したことはないのですが、マーケティング職の経験がないと即戦力にならないという訳ではありません。理由は以下です。
【理由その1】そもそも日本全体が人材不足
これは言うまでもないのですが、現在どの企業も業界も職種も人材が足りていません。
そしてそれは、マーケティング業界も漏れなく当てはまります。
その為、常に求人広告を出して人材を探している企業も多々ありますが、『xx年以上のマーケティング業務経験のある方』なんて求人広告に書いてもなかなか集まらない訳です。
【理由その2】マーケティングには様々なスキルは多岐に渡る
これは管理職になると実感するのですが、そもそもマーケティングの理論やノウハウなんてのは異動してきてから勉強しても遅くはありません。
そう考えている世のマーケティング部門の部長さん、課長さんは多数いるはずです。
※だからこそマーケティング初心者の方はこの『Lactivator』でノウハウなどを学んでくださいね!(笑)
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むしろノウハウや理論はマーケティング部門に入ってから学んでいただいて、それまでは『外じゃないと培う事ができない専門知識やスキル』を身に着ける事が超重要なのです。
例えば定量調査の分析をやる際には数字を取り扱う『統計学』が、定性調査の分析には『心理学』が必要です。そして、その分析結果をどのように組み立ててプレゼンすれば相手を説得できるかという『プレゼンスキル』も重要になってきます。
またSNSをマーケティング分析に使う機会が最近では多くなっていますが、SNSに詳しいのはITの専門知識を有する方々です。
更に、実際に立案した戦略を実行に移すには『決断力』や『行動力』が必要です。
もちろん、これら全てを擁する人でないとマーケティングはできないということではありません。
こういった何かしらのスキルや専門知識を1つでもきちんと自分のものにしている人の方が面接官には魅力的に映りますし、実際にマーケティングの現場で役立つのです。
何度も言いますが、マーケティングの基礎理論的な部分は後から勉強すれば全然問題ありません。
転職時の履歴書や面接のコツ
面接官はあなたの過去に興味がある訳じゃない
しかしながら、転職時の履歴書や面接で『マーケティング未経験』という言葉を強調するのは面接官にネガティブな印象を与えてしまいます。
経験がないことをわざわざ伝える必要はありません。
また、これは僕自身が面接官を行った経験を踏まえて書きますが
どんな知識やスキルを持っているかよりも、『どういう専門知識・スキルがあるから、御社のマーケティングにどのような貢献ができるのか』を強調した方が面接官に100倍デカい好印象を残すことができます。
正直、応募してきた人が『どんな学問を勉強して、どんなキャリアを積んできたか』は興味がないとはいいませんがあまり重要ではありません。
面接官はその人の過去をクローズアップするつもりは全くないのです。
むしろ、この人を採用すると自社にどんなメリットがありそうなのかを考えながら履歴書を見たり、面接で質問したりしています。
従いまして、『これまで得た知識や経験を御社にこういった形で使えればと思っています。』と言い切った方が良いのです。
正直私自身は転職の経験はないのですが、転職者の面接官を務めたことは何度もあります。
その面接官の経験を基に考えると、これはマーケティング部門のみならず転職活動全般に言える事です。
【因みに】僕が面接を受けた時の話
上述の通り、僕は昔勤めていた自動車会社のエンジニア部門からマーケティング部門に社内転職という形で異動しました。
その際にも面接があった訳ですが、その面接の中で僕が話したことは以下です。
僕の趣味は競馬で、今は自分が学んできた統計学を使って馬券を高確率で当てる計算モデルを作りたいと思い、実際に取り組んでいます。
本音を言うとかなり難しいです。
過去のレース結果などのデータは調べれば豊富にあります。しかし「その馬の調子」をどのように判別して数値化し織り込んでいくかが難しいですし、また「レース中の騎手の判断」というのも結果に大きく影響する為、なかなか精度のよいプログラムはできません。これについては引き続き自分の趣味の範囲で進めていきますが、このノウハウを自動車の需要予測や各車種の売り上げ予測のモデリングに役立てたいと思っています。
これまでエンジニアとしてこの会社の経営を見てきましたが、この予測モデルを作るという部分がまだまだ弱いと感じています。
もう15年くらい前の話ですが、ちなみに競馬の予測モデルはいまだ完成してません。
多分、サグラダファミリア以上に時間がかかると思います。(笑)
ただ、この面接の1週間後に採用通知が届きました。
そしてその時の面接官が配属後の僕の上司となった訳ですが、『競馬の予想を会社に役立てると言った奴は見たことない』と後々褒められた記憶があります。
要するに僕は、自分自身がどんな専門知識持っているかを話したかった訳ではなく、
『自分の専門知識や得意なことで、会社にどうやって貢献できそうか?』
を伝えたかったのです。
競馬の話は、それを面接官の頭の中に焼き付ける為にあえて面白くしゃべったに過ぎません。
もちろんこの時はマーケティングの『マ』の字も知らない状態でした。
【転職後】プロのマーケターになる為に絶対必要なスキル
上記のように、マーケティングを担当し始めた頃は何か1つでいいので自分の得意なことや専門分野をアピールし、それを生かすというのが重要と思います。
ただマーケティング業界でずっと仕事をしていくと、あるスキルが絶対に重要だという事に気づきます。
それは『共感力』と呼ばれるスキルです。
言い換えれば、相手(お客様)の気持ちや思いを見抜く力とでもいいましょうか。
お客様の心理をベースに戦略を考え、実行する事ができるかがマーケティングの肝です。
それが完璧にできればマーケティングの、というよりビジネスの達人になれます。
お客様が心の深いところで持っている気持ちや不満がわからないからビジネスって難しいのです。
優秀なマーケターはその『共感力』が秀でています。
是非、これは転職してからで構わないので、
・この人は深層心理ではどんなことを考えているのかな?
・この人が言った言葉の裏には何があるのかな?
という事を考えるクセをつけてみると良いと思います。
でも、まずは履歴書作成と面接を頑張ってください!(笑)