最終更新日: 2026年10月30日 by 渡邉 俊

マーケティングリサーチの学び場『Lactivator』代表。自動車会社でマーケティングリサーチに従事後、誰でも気軽にマーケティングを学べる場として2012年に本サイトを開設。また故郷:群馬県の活性化の為、2013年より上毛かるたの日本一決定戦『KING OF JMK』を主宰。著書『上毛かるたはカタル』も発売中。
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こんにちは、マーケティングリサーチャーの渡邉俊です。
今日はちょっと他の記事とは趣向を変えまして、『マーケティングリサーチャーの独立起業』について書きます。将来会社を辞めて自由になりたい!と考えているリサーチャーの方は是非読んでみて下さい。
私も2016年まで自動車メーカーでマーケティングリサーチの仕事をしており、その年の3月に独立しました。しかしそれまで起業に関して色々と勉強してはいたものの、実際に独立して初めて分かったことが山ほどあります。
あくまで私自身が感じた事なのですが、周りの起業した人間を見ると同じことで困っている人がかなり多くいます。独立起業を考えている方は、是非以下のことについて意識してみてください。
【結論】独立後のリサーチ業を謳歌する3つのポイント
この記事を書いているのは2021年1月であり、私がリサーチャーとして独立してもうすぐ丸5年を迎えようとしています。
この5年間を振り返ってみると、リサーチャーという職業を独立後も謳歌するには以下の3つが大切じゃないかと思います。
●なるべく早く『人脈依存』を辞める
●レバレッジの効くビジネスモデルを作る
●労働量が収入に比例しない事を理解する
1個ずつ丁寧に解説していきますね。
なるべく早く『人脈依存』を辞める
人脈に頼ると早い段階で頭打ちになる
まず独立したリサーチャーの方々が何をしているかというと、ほとんどの方は前職で関係のあった方々からリサーチの仕事をもらうという形で収入を得ているのではないかと思います。これまでの伝手や築いてきた人脈を元手にするということです。
私も独立して3年くらいまでは、前職で付き合いのあった人達の伝手をたどってリサーチ代行やコンサルティングの仕事をもらっていました。
もちろん人脈があるというのは素晴らしいことですし、それを活用するというのは大事です。
但しこれは私も独立してから感じたのですが、昔の人脈ばかりに頼ったビジネスモデルになっていると近い将来に収入は頭打ちになります。
理由はその人脈頼りの集客になってしまい、新しい集客経路を開拓していないからです。
また最初のうちは“独立後は大変だろうから手を差し伸べてやろうかな”と思ってくれる周りの人も多いかもしれませんが、その類の慈悲の念はそう長く続きません。年を追うごとに1人、また1人と協力してくれる人脈は減っていきます。
自ら集客する仕組みを創る
従いまして、できれば独立する前から『今の人脈に頼らずに自らの力で新顧客を集客する仕組み』を構築しておくことを強くお勧めします。
その為にはまず、自分のWebサイトを持つ事が法人でも個人事業主でも必須です。
もちろんただ持っているだけだと誰も見に来てくれないので、自ら情報発信をしたりSEOに注力したりしてサイトの閲覧者を増やしていき、収入に繋げないといけません。
これはすぐにはできません。Webサイトを作ってそこから最初の1円が得られるようになるには最低でも半年はかかると思いますので、会社を辞めた後ではなくて辞める前から始めておく必要があります。
『人脈』はリスクヘッジ
それでも自分で新しい顧客を取ってくるというのは簡単な事ではありません。これはマーケティングリサーチに限らず、ビジネスを行っている方は誰もがそう思っているはずです。
その為、リスクヘッジとして人脈を使った集客を残しておくのはもちろん有りだと思います。
但し100%人脈にすがりつく姿勢は起業家精神としてあまり良くないですし、単なる『昔の人脈からの下請け』のような形になってしまうとメンタル的にもしんどくなってきます。これでは何のために会社から独立したのかよく分からないですよね。
とは言う私自身も、独立して3年目までは伝手を頼って仕事をしており、そこからの収入が大部分を占めていました。しかし4年目以降は自分で新しいクライアントを自分で獲得することをメインに行っています。
早い段階で人脈頼りから脱却することをおススメします。
マッチングサイトはほどほどに
最近ではランサーズやクラウドワークス、ココナラなどと言った自分のスキルを売ることのできるマッチングサイトがあります。
こういったサイトをフル活用して新しい集客を獲得するのも良いです。リサーチに関するスキルも出品する事ができるので、登録しておけば比較的簡単に依頼が来ることでしょう。
私もこれらのサイトにはアカウント登録して今でも使っています。
但し、こればかりに頼ってしまうのは私はあまりお勧めしません。
自分のWebサイトを持って、自分の力で集客できるようになった方が絶対に良いです。
今後これらのサイトがどう発展していくのかは分かりませんが、仮にランサーズが経営難に陥ってサイトを閉鎖することになったら集客できなくなってしまいます。また急にクラウドワークスが利用規定を大きく変更したとなれば、否が応でもそれに従わなければいけません。
これらのサイトに頼って集客をしているというのことは、言い換えれば他人が作ったルールのものでビジネスをやっているに過ぎません。
何度も言いますが、自分で新規顧客を獲得できる力を身に付けないとダメなのです。
レバレッジの効くビジネスモデルを作る
レバレッジとは?
『レバレッジ』とは『てこの原理』という意味であり、小さな力で大きいモノを動かすという事です。
ビジネスでは、小さな動きや投資で大きな利益を得る事を指します。
もし独立して収入を高めたいのであれば、『レバレッジ』の発想は絶対に必要です。
独立するとほとんどの人は1人で仕事をすることになり、営業から調査設計、実査、分析・・・など全ての事を自分でこなさないといけません。
そうすると、1度に自分で回せる仕事が最大3本だった場合、1本あたりの単価×3が自分の利益の上限となってしまいビジネスとしての成長が止まってしまいます。
レバレッジの効くリサーチの仕事
リサーチャーとして独立している人のほとんどは『リサーチ代行』をメインにしていると思います。
マーケティング調査のスキルを持っている訳ですから、そのスキルを使って代行するのはもちろん問題ありませんし、世の中の多くの調査会社がやっていることです。
但し上記の通り、リサーチ代行はレバレッジの効いた仕事とは必ずしも言えません。
代行業と並行して、リサーチのスキルを使って何かレバレッジを利いたビジネスができないかを考えてみましょう。
例えば1度に数十人を相手にするセミナー講師などは、受講者が何人になろうがそれにかかる時間や手間は基本的に変わりません。多く集客できればそれだけ利益がアップすることになります。
またそれ以外にも、何かの独自調査を行ってその結果を売るというビジネスモデルもレバレッジが効いています。コストとなる調査費は一定で、売れれば売れるほど利益が上がります。
ビジネスのアイデアを考える時は、このようなレバレッジという発想を必ず意識してみましょう。
労働量が収入に比例しない事を理解する
給料の概念からの脱却
最後にですが、時給や月給の概念は独立したらとっとと捨てましょう。
「汗水たらしてこそ働かなければ仕事じゃない!」
「努力をすれば報われる!」
という教育を小さな頃から受けてきた人は多いと思います。私もそうです。
しかし独立して仕事をするとその常識は全くと言って良いほど通用しませんし、早くその常識を忘れないと大変なことになります。
なぜなら、働いても働いても収入に繋がらないということが独立後では普通に起こるからです。
収入に繋がらない作業をダラダラと行っていても一銭にもなりません。ただ机に向かって漠然と手を動かすことならば、いっそのこと止めてしまうか、誰かに頼んでやってもらうことを考えましょう。
机に向かっていると、その状況に酔って何となく安心・・・と感じてしまう事もあるのですが、要らないと判断できた作業は勇気を持ってどんどんカットする事が大切です。
もちろん今すぐの売上には繋がらないけど将来の為にやっているという作業もあるでしょう。
基準としては将来の売上に繋がるどうか・・・で判断して不要なものはやめていくことをおススメします。
成果がないと収入にならない
独立後の収入は『時間や労働量の対価』ではなく完全に『成果分の対価』となることを是非忘れないで下さい。
だからこそ時間と労力をなるべくかけずに如何にして効率よく収益をあげられるか、この発想が重要になっていきます。
折角独立したのですから、サラリーマン時代の収入額は早めに超えたいですよね。そうじゃないと独立した意味がありません。
だからこそ、少ない時間や労力で最大限の売上に繋げる・・・という、これもレバレッジの考え方です。
【追記】独立前に知っておきたい、リサーチ業ならではの4つのこと
YouTubeチャンネルでもお話しした内容のうち、この記事に書いていなかったことを、追記としてまとめます。
1.リサーチは、景気が悪化すると早い段階で契約を切られやすい
どの業界・企業も、売上が悪化したり経費がかさんだりすると、経費を削減して収益を守ろうとします。そのときに、比較的早い段階で契約を切られてしまうのが、マーケティングリサーチという仕事です。
SNS運営の代行や広告制作は、売上を伸ばすために必要なので、多少業績に差があっても、早々に切られることはありません。一方、リサーチは、やったからといって売上が上がるわけではないので、経費削減の対象になりやすいのです。
私の事例では、韓国でお菓子を販売していたメーカーから、韓国国内のお菓子市場の調査を委託されていました。1年ほど一緒に仕事をして、調査結果も社内で評判が良かったと聞いていましたが、2019年に日韓関係が悪化して、その会社の韓国での業績が一気に悪化しました。
韓国事業の経費を削減するために、真っ先に私との契約が一旦取りやめになったのです。その後、新型コロナウイルスの影響で、他の会社との契約も一旦取りやめになりました。
当時は、どの会社も自社を守らなければならず、調査をやっている場合ではなかったのです。
商品や広告は、なくなると困りますが、調査は、やらなくなっても会社は存続できます。もともと調査をやっていない会社も、世の中にはたくさんあります。
リサーチ業とは、そういう仕事なのだと、あらかじめ知っておいてください。
2.定期的に収入が入る仕組みを、サービスの1つに取り入れる
企業から市場調査を委託してもらうのがメインになりますが、おすすめしたいのは、定期的に収入を得られるビジネスモデルを、サービスの1つに取り入れておくことです。いわゆるサブスクです。
その都度契約を取ったり、商品を販売したりしなければ収入が得られないビジネスよりも、少額でも長期にわたってお金が入ってくるビジネスを作り、それをたくさんの企業や消費者と契約するほうが、収益は安定します。
例えば、私自身は、一般の方々にリサーチの方法を教える「調査の学び場」というサブスクを運営しています。オンラインで動画を見ながら学習でき、質問や個別の相談があるときは、メールやZoomで受け付けています。
そして、リサーチでいちばんおすすめなのが、定期調査です。私のクライアントの人材派遣会社は、約3,000人の派遣スタッフに、2か月に1度、従業員満足度調査を実施していて、年間契約で委託を受けています。
定期調査は、契約が満期になっても、「次は他の会社と契約しよう」とはなりにくい、という利点もあります。クライアント側も、新しい会社に業務の説明をするのが面倒なので、調査を継続するなら、同じ会社にお願いする、となりやすいのです。
厳密にはサブスクではないかもしれませんが、定期的に収入が入る仕組みを取り入れれば、事業は安定します。
3.できれば「定性調査」のスキルを身につける
必須ではありませんが、できれば、定性調査(インタビュー調査)のスキルを身につけておくことをおすすめします。マーケティングリサーチというと、ほとんどの人が定量調査、いわゆるアンケート調査を思い浮かべますが、そのほかに、定性調査があります。
消費者やターゲットとなるお客様にインタビューを行い、その人たちが考えていることを深掘りする調査です。アンケートではわからない、お客さんの深層心理などを把握できます。
定性調査のスキルを持っているリサーチャーは、日本では圧倒的に少ないです。具体的な人数の数字は持っていませんが、定量調査ができるリサーチャーは溢れるほどいるのに対して、定性調査ができる人は、その10分の1もいないのではないか、というのが私の肌感覚です。
定量調査に比べて、定性調査の依頼は少ないものの、定性調査ができれば、依頼を受けられる仕事の幅が広がります。
4.税金と社会保険の金額を、独立前に把握しておく
これは、マーケティング以外の分野で独立する人にも共通することですが、独立の前に、今、自分が税金と社会保険をいくらぐらい払っているのかを、ぜひチェックしてください。会社員は、これらが給与から天引きされているため、払っているという認識が薄く、金額を把握していない人がかなり多いです。
退職後にフリーランスとして活動する場合は、国民年金と国民健康保険に加入することになります。独立1年目に、いくらぐらい支払うことになるのかを、住民票を置いている自治体のホームページなどで税率を確認して、計算してみてください。
サラリーマンの場合、厚生年金と健康保険は、会社が半額を負担しています。個人事業主として独立すると、年金と健康保険は全額が自己負担になる点も、忘れないでください。
私自身も、それなりに大きな会社に15年間勤めていたので、退職金もそこそこもらえました。その退職金を、自分の事業拡大に充てようと思っていたのですが、3月に退職して、6月ごろに住民税や健康保険の払い込み用紙が届いたときに、「こんなに払うのか」と驚きました。
退職金の結構な額が、税金と社会保険で消えたという記憶があります。
フリーランスとして活動するにしても、法人化するにしても、税金と社会保険は払い続けることになります。年間でいくら稼いだら、どのくらいの税金と社会保険を支払わなければいけないのかは、税理士に相談してもよいですが、なるべく自分の肌感覚として持っておいたほうがよいと思います。
なお、事業の一部を法人化して設立するという方法もありますが、独立してすぐの法人化は、あまりおすすめしません。まずは個人事業として頑張って、ある程度売上が立つようになってから、法人化を考えるのがよいと思います。法人化については、税理士に相談してください。
独立でお悩みだったら是非Lactivatorにご相談を!
以上、あくまで私の経験からですが、リサーチャーとして独立を考えている方に参考になりそうなことを3つ挙げました。是非ご自身に照らし合わせてみてもらえると嬉しいです。
『独立って大変だな・・・』と思われたかもしれません。もちろん簡単だとは言いませんが、実際にやってみると楽しいです。全て自分の好きなようにできるのですから。
もし独立に向けて何かお悩みでしたら、以下のページ下部のフォームより遠慮なくLactivator代表:渡邉にご連絡ください。私でよければ是非アドバイスをさせていただきます。























